PIST6開幕から早1年…。これまでの歩みと今後の課題は? ~TIPSTAR DOME CHIBA~

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民間ポータルへ販路拡大の動きも

 千葉競輪場の跡地に建てられたTIPSTAR DOME CHIBA(千葉JPFドーム)で、昨年の10月2日に新しい自転車トラックトーナメントである「PIST6 Championship(ピストシックス チャンピオンシップ)」が開幕してから早1年が経った。
 千葉競輪の廃止騒動があったことを考えると、形は違えど競輪選手達の活躍の場が残ったことはとても喜ばしいことだ。

 しかし、ここまでの1年を振り返ると、当初期待していた売り上げや入場者数は大きく下回り、決して順風満帆とは言えない。当初想定していた毎週土日開催や、外国人選手のあっ旋などが現状難しいこと、現行競輪のオフィシャルサイトのKEIRIN.JPでもピスト6の扱いがないに等しいことなど、認知度アップに苦戦。それ以外にも様々な面で現行競輪側とピスト6側で大きな溝があるように感じていた。

 だが、ここにきて徐々にではあるが風向きは変わってきたようにも思う。先月16日に行われた千葉市議会の第3回定例会では、「250競走の課題と、今後の取り組みについて」の質疑応答が行われた。
 青柳太副市長は「想定を下回った要因として来場者数については、ピスト6のブランド名でホームページ、SNS、屋外広告等を活用して、250競走の情報発信を行ったものの、幅広い認知には至らなかった。車券売り上げについては、十分な車券購入者数を獲得できなかったことが売り上げ不振に繋がった」と原因を分析。「今後の安定的な事業運営に向けて来場者数の確保に繋がる、250競走の認知度向上と車券購入者数の拡大が取り組むべき課題」と回答した。
 具体的には「無料招待デーの実施、複数の車券発売サイトで販売し、多くの方々が車券購入できるよう、協議調整に取り組む」と明確な方針も示した。

(下に続く)

本吉慶司記者

2022年10月2日 14時00分

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中村浩士
これからの思いを語ってくれた(適切な距離を保ち、フェイスシールドを着用しての撮影をしております)
業界全体の協力は必須

 また、民間ポータルの関係者からは、「現行競輪と協力して欲しい。そうなれば積極的に協力していきたい」という声も耳にした。ティップスターの独占販売を見直し、その他民間ポータルでの発売へ向けた動きは着々と進んでいるように感じる。

 立ち上げ当初から様々な面で尽力していた選手会千葉支部の中村浩士支部長は「やっぱり新規のお客さんに振り向いて貰いたいですね。認知度を上げて、選手を応援して貰えたら。選手側ではできることを計画して、千葉市とピスト6と協力して売り上げに貢献できればと思っています。無料招待デーの実施などでお客さんがきてくれることは分かったので、次は車券購入というところを構築していきたい。やっぱり売り上げてなんぼのところがありますし、満員のお客さんの中で、売り上げも上がる中で走りたいって気持ちが選手にはあると思う。買い方教室的なものを開くなりして、僕たちは選手の心理面など教えてあげられればなって。次なるステップはそういう所かなって思います」と今後のピスト6に期待しつつ、できる限りの協力をしていくとのこと。
 「(廃止報道があり)マイナスからのスタートでここまできた。伊藤信君や市本隆司さんは(世界選手権マスターズのスプリントで)世界一ですよ。ここがなかったらそういったチャレンジもなかったと思う」と、ピスト6があることで、選手達に新しい可能性が広がったことを強く語ってくれた。

 時間はかかるかも知れないが、各施行者やJKA、ピスト6側で一致団結して欲しい。それがファンの拡大に必ずや繋がるし、競輪業界の更なる発展は間違いない。
 業界全体でこういった動きになれば現行競輪のファンがピスト6を見てみようという相乗効果が生まれ、売り上げ、入場者数は必然的に増加が見込めることだろう。

本吉慶司記者

2022年10月2日 14時00分

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