期待の大砲・藤井侑吾が登場 ~松阪ミッドナイト~

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藤井侑吾
特班初戦をいきなり完全V。大物ぶりを改めて証明した

 6月6日開幕の松阪ミッドナイトは、中部勢、近畿勢のみで、これまでにない戦いが繰り広げられる。Vの行方は読みにくいが、鍵を握るのは新鋭・藤井侑吾だ。3月に特班を決めた後、開催中止が続いて1・2班戦初戦は5月宇都宮ミッドナイトとなったが、いきなりの完全優勝と期待に違わぬ大物ぶりを示した。その宇都宮で連係した藤井準也、大洞翔平の岐阜コンビ、さらに吉川起也、吉川希望の北陸勢と中部の主力勢は自力型ばかりで、それぞれがバラバラで戦うとなれば近畿勢優位の流れは覆せないが、藤井侑を先導役に、何らかの形でまとまれるようだと面白い。
 近畿勢では、そろいもそろった福井勢が強力だ。脇本勇希が同期ナンバーファイブの藤井侑に対し、先に特班して1・2班戦でV実績もある意地を発揮なら、中部勢は空中分解。その場合は、脇本後位でレースを進める清水剛志、渡辺航平には絶好の勝機到来だろう。清水は降級した今期ここまで優勝こそないが、準決では1着も多くさすがに着をまとめている。
 清水目標から、俊敏な立ち回りで4月広島モーニングを制した白上翔の動向にも注目したい。同支部の福井勢との連係で再び好位置を占めるか、積極性では藤井侑、脇本に一歩も引けを取らない中野雄喜の番手があれば好勝負必至。もちろん、自分で自在に勝つ競走に徹しても一発ある。

 このシリーズのキーマンとなりそうな藤井侑は、自転車歴が浅いにも関わらず、ハイレベルな115期生の中で在校成績5位に入った逸材。能力評価ではオールAを獲得し、ナンバーワンの坂井洋とともにゴールデンキャップを獲得したポテンシャルの高さは並みの新人とはモノが違う。デビュー直後の8月の落車で一頓挫あったが、“怪我をする前よりタイムは出ている”と復帰後は2回しか確定板を外さなかった。3月に特班を決めて、初戦の5月宇都宮ミッドナイトはいきなりの完全V。3日間ともまくりになったものの、「初の500バンクでしたが、感じは悪くなかった。なかなか思うように先行させてもらえませんね。同期に出遅れたのでここから頑張っていきます」と期待に違わぬ活躍だった。地脚タイプで、“基本的に先行で勝負していきたい”と緩めばためらわずに仕掛けて出るハートの強さがある。トップスピードの高さは半端なく、出て掛かり切ってしまえば、同期の脇本勇や中野雄らライバルを沈黙させて、中部から優勝者を出そう。

権田浩一記者

2020年6月5日 15時22分

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