今度は山口拳矢の番だ ~豊橋ミッドナイト~

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山口拳矢
負けなしで特班を決める
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尾方真生
ガールズにも注目ルーキーが登場

 8月19日からの豊橋ミッドナイトには、注目の山口拳矢が特別昇班を目指して登場する。第117期生のナンバーツーで、ゴールデンキャップを獲得した次代のスター候補だ。ルーキーシリーズを5月小倉、6月伊東と6連勝すると、チャレンジ戦でも7月名古屋ミッドナイト、同月四日市ミッドナイトと6連勝。2着以下を千切るレースも多く、スピードは群を抜いている。プレッシャーや包囲網など問題にしないポテンシャルの高さで完全Vを飾り特別昇班を達成する公算が大きい。

 山口が負けなしで特別昇班を決める。前回の四日市ミッドナイトを走る際にも紹介したが、さしたるアマ歴もなかったにも関わらず在所ナンバーツーとなったゴールデンルーキーは、ルーキーシリーズから10秒台の破格の上がりタイムを連発。四日市の決勝は2角6番手から上がり11秒0のまくりで、先まくりの同期・村田瑞に4車身差を付ける圧勝劇で人気に応えたが、“ここ最近の中では今一つ。10秒台が出せると思ったけど”と言うのだからレベルが違う。脚だけならS級、それも上位陣と勝負できるものをすでに備える。加えてチャレンジの“流れや感じは分かった”とレースセンスも抜群とあっては特別昇班も通過点にしか過ぎない。“同期のレースは全部見ています。負けたくない気持ちはあります”。今回は対抗できそうなライバルも手薄で、青野将、松岡泰、町田太、櫻井祐を追い、負けなしで1・2班戦にコマを進めよう。

 ガールズも興味深いマッチアップ。8月松阪ミッドナイトで破竹の6連覇を達成したばかりの坂口楓華に、新鋭・尾方真生が挑む。だが、今の勢いなら坂口を本命視するのが順当か。松阪はまくり、先行、追い込みと3日間違う戦法で柳原真らに完全優勝しており、今や何をやらせても強い。グランプリ級の選手を倒すまでは止まれないとモチベーションが高い上に、この1年練習地にしている豊橋バンクというのも有利なポイントだ。尾方の出方に合わせた柔軟な組み立てで翻弄し、連続優勝をさらに伸ばす。
 尾方も脚力的には何ら見劣りせず、坂口に挑戦状を叩きつける。真っ向勝負で坂口をねじ伏せてしまっても驚かない。
 両者に比べるとやや見劣りするが、自力基本のタテ攻撃が冴える宮地寧々や、前々に攻め上がる中野咲、当所ホームの高橋智香も連候補で見逃せない。

 118期のトップランナー・尾方から目が離せない。卒業記念チャンプの尾方は118期のトップを行く存在。ルーキーシリーズの5月小倉を完全優勝すると、本格デビュー後は7月青森131着、函館111着、8月弥彦112着。着外ゼロで底を全く見せていない。弥彦で遂にVこそ逃したが、一番力を出せるパターンに持ち込んだ尾崎睦をモガき合いの末にねじ伏せた内容はグランプリ級の実力を示すのに十分だった。陸上競技で鍛えたバネとパワーを生かした自力攻撃は破壊力満点。踏み出してからの加速力が強烈で、高いトップスピードで敵を飲み込んでしまう。“練習では逃げても勝てるタイムが出ている”と話すものの、行かせてのまくり勝負が今の主戦法。だが、レースを見過ぎて仕掛けが遅れたケースくらいしか苦戦するパターンは見当たらず、坂口の連続優勝も止めてしまうかもと期待を抱かせる。

権田浩一記者

2020年8月18日 18時58分

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