大阪勢が鉄壁の布陣 ~大垣ミッドナイト~

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谷和也
強力大阪ラインの先導役を務める
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小松原正登
強い責任感で主役を全うしよう

 欠場者が多く初日から6車立てが続く変則開催となった2月17日からの大垣ミッドナイトは、堀僚介がV候補の筆頭。昨年前期のA級時にも3連覇を果たすなど尻上がりに調子を上げていった堀は、半年間のS級でもコンスタントに確定板入りを果たしていた選手だ。特にまくりの破壊力は強烈で、降級初戦の1月小倉ミッドナイトでいきなりの圧勝劇を演じている。ここは同郷の谷和也に前を任せ、後位には師匠の原田隆を連れて鉄壁の大阪ラインを結成。負けられない一戦となりそう。相手も年末年始に3連続準Vと乗れている谷だ。
 中部勢が大阪勢にとっては一番手強い相手となりそう。先行意欲旺盛な井上嵩が勝ち上がれば、番手有力な下岡優季に展開が向く事も。降級後は落車もあったりで順調とは言えない下岡だが、機動力は健在。勝機が巡れば逃さない。また、愛知コンビがレースを作れば上田裕和にも出番がありそう。
 自在に立ち回る鈴木謙二も間隙を突く。降級初戦の1月京王閣では鈴木雄を利して優勝しており、ようやく特班初戦を迎える新鋭・山本勝利との連係が叶えば面白い。

 大阪ラインをけん引する谷は、高校時代にイントレースなど中距離種目で活躍し、競輪学校では能力評価でAを獲得したこともある高いポテンシャルの持ち主。昨年6月に特班し、8月松阪ミッドナイト、10月富山とすでに2回の優勝歴がある。優勝直後の落車で鎖骨と前歯を折る重傷を負ったが、“怪我する前と練習の感じは変わらない。(前期は)ギリギリでS球の点も取れたみたいなので、来期揚がれたら頑張りたいです”とここまでは上々。決まり手を見ると、先行、まくりとバランス良く使い分けているが、シリーズ3日間を通してバックを取らない場所は全くない積極タイプ。チャレンジ時代には早期卒業生の寺崎浩にも先行で真っ向勝負をしたほどだ。“自分の持ち味は先行だと思っているので、持ち味は発揮できてるかなと思います。それをやっていかないと上では通用しないと思うので”。堀とは同じレースを走ったことがなく、ここが初連係となりそう。堀の前で名刺代わりの気風のいい走りを披露する。

 チャレンジもV候補筆頭だった長屋秀明ら主力陣に欠場が相次いだ。小松原正登が強い責任感を持ってシリーズを盛り上げる。在所52位と養成所時代は目立たない存在だったところから叩き上げて着実に成績を上げてきた小松原。脇本雄太の弟子で、脇本が福井に戻ってくるまではと今は市田佳寿浩氏のもとに預けられて野原雅也、小森貴大、脇本勇希らが練習仲間と恵まれた環境で順調に力を伸ばしている。種目によっては野原や小森に負けていない数字も出せるくらい非凡な能力を持つ。単発の企画レースも含めて昨年は4回優勝している。“もう少し優勝したいけど、イメージ通りに落ち着いてレースはできるようになった。色々やっていますが、今はカマシがいいかな”と話しており、ここは好機に飛び出してペースを握り敵を寄せ付けない。

権田浩一記者

2021年2月16日 19時34分

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