地元に強い山口拳矢がGⅡ制覇 ~岐阜競輪場~

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山口拳矢
賞金ボードを掲げる山口選手
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直線で外を迫る平原選手を1/2車身振り切った所がゴール線
デビュー最速GⅡ優勝記録を更新

 9月20日(月)に岐阜競輪場で行われた第37回共同通信社杯の決勝戦は地元の山口拳矢(岐阜・117期)が単騎戦で頂点に立った。デビュー後最速GⅡ優勝記録となる479日(デビュー初日を含まない)を達成した。今までのデビュー後最速優勝は深谷知広(愛知・96期)の683日(デビュー初日を含まない)で、平成21年7月22日デビュー、平成22年12月28日のヤンググランプリ優勝であった。

【レース回顧】
 初手で6番手に構えた山口拳矢は赤板で動き始めた平原康多ラインを掬って4番手にスイッチ。打鐘で新山響平が一気に巻き返し、清水裕友が合わせて動き郡司浩平を掬って出たが守澤太志が力ずくで締め込み北日本ライン3車で出切る。新山をリードした番手の新田祐大が車間を空けて待ち構えていたが、後方7番手の位置からまくり上げた山口拳矢のスピードが良く、最終3コーナーで肩を並べると直線でそのまま鋭く抜け出した。

 「僕も北日本が前だと思っていた。最初の位置は気にせずに。自分の想定よりチャンスが早くきたなって。(新田よりも)自分の方が前に出れたので4コーナー回ってから勝負だなって。信じられない。オールスターで前々に動いて、決勝には乗れなかったですけど収穫はあったので。ゴールした後、静かすぎて間違えたかと思いました。(地元の)プレッシャーには日に日に強くなっていったと思う。(グランプリの賞金争いで上位に食い込んできたが)やっとスタートに立てたと思う。いい勝負ができる所に来たので年末まで気を抜かずに」
 
 優勝賞金の2269万円を上乗せした山口拳矢は9月20日付けの賞金ランキングで8位に浮上。デビュー2年目にして早くもグランプリを狙える位置にまで登り詰めてきた。惜しくも2着に敗れたS班の平原康多(埼玉・87期)はレース後にこう語っている。
 「今日は難しかったですけど、自分で動いて位置も確保できなかった。山口君が仕掛けたのでそれに乗っていく形でいけましたけど、最後も差せなかった。色々と悔しいですよね。まだまだ課題だらけですけど、こうやって(若い選手が)出てくるのはいいことなので。その中で代謝していくのが当たり前の世界。自分はその選手たちと長く走れるように努力を続けていくだけ」
 
 郡司浩平(神奈川・99期)も悔しさの中に清々しさがあった。
 「若手が勝つと見ている方も楽しいでしょうし、こうやって盛り上げてくれるのはいいことだと思います。でも負けていられないので。脚力だけだったらもうSS級ですからね。なので脚力だけじゃなく経験だったりレース運びだったり、ラインの力だったりでどう対抗していくかだと思っています。自分たちも切磋琢磨して盛り上げていければ」
  
 若手の登竜門と呼ばれる『共同通信社杯』を制した山口拳矢。SS級も認める脚力の持ち主で、さらなる活躍を期待せずにはいられないだろう。

細川和輝記者

2021年9月20日 17時37分

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