新田祐大がローズC制覇 ~弥彦競輪場~

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新田祐大
2日目のローズカップ快勝で弾みをつけて準決へ
自信をもって準決へ

 弥彦競輪場を舞台に開催されている「第30回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)」は、10月22日に2日目が行われた。失格以外は準決進出が約束されているメインの「ローズカップ」だが、主導権を握った中近勢に別線が襲い掛かり見ごたえのバトルが展開された。単騎の新田祐大(福島・90期・SS)と太田竜馬は8、9番手のポジション。新田頼みの太田は動かず、新田は最終3コーナーから踏み上げる。前が遠いかに思われた新田だが、驚異の加速で上がり10秒7のタイムを叩き出し前の7人を次元の違うスピードでのみ込んだ。

 「しっかりと踏み込むことができた。外々を踏んでゴール前なんとか届いた。展開もあったけど、自分の力を感じることができた。これで準決に自信をもって臨むことができる」
 5着で「ローズカップ」に進んだものの、初日の「理事長杯」では内に包まれて持ち前の爆発的なパワーを披露する機会がなかった。それだけに外を豪快に突き抜けた「ローズカップ」は、勝ち星以上に新田自身の気持ちの揺らぎをおさめるには十分なパフォーマンスだった。
 「レースでは展開をつくったわけではないけど。自分の力を出し切るっていう目標を達成できて、着順もついてきた」
 8月の東京五輪で競技にひとつの区切りをつけると、それからは競輪モードに突入。18年2月の全日本選抜で5冠(通算G1優勝はSSカップみのりを除いて7回)を獲得して、グランドスラムには寬仁親王牌を残すだけになった。
 「(準決は)レースの組み立てが上手な選手ばかりだから、油断しないでいきます。(決勝は)去年より1つ上の順位を。それでしっかりと(グランドスラムを)達成したい」
 昨年の寬仁親王牌では、脇本雄太に逃げ切りを許して準V。4分の3車身差で全冠制覇を逃した。ナショナルチームとして、ともにメダル獲得にまい進した脇本は欠場を余儀なくされて、東京五輪組は新田ただひとり。そのプライドを胸に、まずは自身の力を信じて準決で別線を迎える。

竹内祥郎記者

2021年10月22日 19時52分

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