大川剛が2班へ特別昇班 ~いわき平競輪場~

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大川剛
試練を乗り越えてようやく上の舞台へ

 5月7日開催のいわき平FIIナイター最終日第10レース・チャレンジ決勝に出走した大川剛(青森・121期)が、高本和也(神奈川)、永井哉多(東京)の同期勢とのライバル対決を制して1着を奪った。この優勝で大川は、4月名古屋FIIナイター、同月伊東FIIミッドナイトに続き3場所連続での完全優勝を達成し8日付けでA級2班への特別昇班を果たした。

 北日本勢は4車で結束といわき平の決勝は、大川にとって盤石の態勢が整ったかに思われたが、同期の抵抗は想定の上をいくものだった。まず高本が赤板で上昇。前受けの大川に突っ張られると、高本は引かずに大川の番手の外で止まって追い上げ策に転じる。これを察知した大川が流していた打鐘2センターで単騎の永井が大ガマシに出る。最終ホーム手前で出切った永井は、大川をグングンと引き離していく。懸命に追った大川は4コーナーでようやく永井を捕らえるが、今度は番手を取り切っていた高本が猛然と詰め寄る。それを何とか4分の1輪振り切っての勝利だった。

 「早期追い抜きなど色々と遠回りしてしまったので、何とかここで(特別昇班を)決めることができて良かったです。最初、永井君にカマされてしまって。突っ張りで、先行で決めたかったんですけど出切られてしまって。でも、落ち着いて追い掛けて最後、高本君に並ばれましたけど、ギリギリ競り勝つことができて良かったです。(3日間を振り返って)応援が凄い聞こえて力になりました。次からA級1・2班で戦わせてもらいますけど、しっかり力を出し切って東北を引っ張っていけるような選手になりたいと思います」

 大川は養成所時代から意欲的に先行勝負に取り組み、HPD教場にも選ばれたエリート候補だ。第3回記録会でゴールデンキャップを獲得して在所成績は2位。デビュー当初は思いのほかの詰めの甘さが見られたが、9月平塚FIIナイター、10月弥彦FIIを連続完全優勝し、同月京王閣FIIミッドナイトも連勝して決勝を迎え、いよいよ特別昇班かと思われたところでまさかの誘導員早期追い抜きでの失格。4カ月あまりの戦線離脱を余儀なくされた。3月前橋FIIミッドナイトから実戦に復帰すると、5場所でチャレンジは卒業し、ようやく同期の上位陣が戦っているA級1・2班戦に挑むこととなった。

権田浩一記者

2023年5月8日 23時44分

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