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2020年5月21日 13時51分

「¥JOY×プロスポーツ記者」が選ぶ極上バトル⑩ ~KEIRINグランプリ2015~

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浅井康太
写真は2016年時。すでにGP王者の風格が漂っている
6番車から掴んだ栄光

 3年ぶりに京王閣競輪場で行われるグランプリは、直前の小倉競輪祭で優勝を果たしグランプリ連覇の懸かる武田豊樹(茨城・88期)を先頭に、その競輪祭決勝で2年連続のワンツーを決めていた平原康多(埼玉・87期)の関東ゴールデンコンビに注目が集まっていた。しかし、他地区も負けず劣らずの顔ぶれで。3月日本選手権、9月オールスター競輪の2冠を引っ提げる新田祐大(福島・90期)に2月全日本選抜競輪を制した山崎芳仁(福島・88期)が付く福島勢が第二勢力。そして、翌年のグランプリを制覇することになる村上義弘(京都・73期)は初出場の稲垣裕之(京都・86期)に託していた。
だが、意外にもこのグランプリで主役に躍り出たのは、6番車で単騎の浅井康太(三重・90期)だった。

 号砲が鳴ると新田祐大が勢いよく飛び出して正攻法に構えると、山崎芳仁も上昇して福島勢が前受け。中団は武田豊樹の率いる関東勢となり、単騎の園田匠と浅井康太が追う。稲垣裕之-村上義弘の京都コンビは後攻めとなった。青板周回のバックから稲垣が上昇すると、この動きに合わせて武田も動いて両者で踏み合う形に。それでも稲垣が強引に赤板で前に出ると武田は3番手で立て直す。単騎の浅井、園田は6、7番手に入り、新田は8番手となると、稲垣は別線に動きを確認しながらペースを上げる。一本棒の状態で最終ホームを通過すると、2コーナーから武田がまくり、番手で車間を空けていた村上も番手まくりで応戦。合わされた武田は厳しいと判断はした平原が最終バック手前で自力に転じると、3コーナーで先頭に立つ。浅井は最終バック手前で内に進路を取り神山雄一郎(栃木・61期)を飛ばして平原を追うと、直線で鋭く追い込みグランプリ初制覇を成し遂げた。

レース後の会見で絶妙のタイミングで平原の後位を奪った場面を問われると、「平原さんは必ず(自力で)仕掛けると思ったので、踏み出すタイミングで番手にいられるように」とこの大舞台でも冷静にレースを運んでいたことをうかがわせるコメント。このクレバーな戦術眼と実践できる勝負強さが浅井の真骨頂だろう。

グランプリで6番車が優勝を果たすのは、2003年当所で同じ中部の山田裕仁(岐阜・61期・引退)が制して以来2度目。大先輩と肩を並べる優勝となり、名実ともに競輪界を代表する自在屋となった。

レース映像はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=MojPSP2cy9c

池端航一 記者

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