疾風怒濤の競輪回顧録

疾風怒濤の競輪回顧録

山田 裕仁 山田 裕仁 やまだ ゆうじ 競輪評論家  昭和63年5月に61期生としてデビュー。平成9年KEIRINグランプリを皮切りに、GP、GⅠを優勝すること9回と、同期の神山雄一郎、吉岡稔真とともに一時代を築いた。14年3月のダービーで現役引退を表明。同年5月の引退後はスポーツニッポン紙で競輪評論家として活動している。

第12回 海外合宿  2016年3月4日

 最近、高地トレーニングでしらびそに行く選手が多くなってきました。私も高地トレーニングを経験したことがありますが、低酸素の中トレーニングをすると本当にキツいんですよ。といっても私は、マラソンでは高地トレの本場、ボルダーに行ってきましたが(笑)当時国内で高地トレーニングするなんて、頭悪い私にはまったく思いつかなかったのです。マラソンで有名なボルダーに行って練習してみよう。そう思い、まずは富士山の五合目で合宿をして低酸素になれ、Dr.チェックを受け、その後一か月弱の合宿に出かけました。飛行機を降りた瞬間に空気が薄いとわかるぐらい息苦しかった。そこでの練習は、午前中は街道に出かけ、午後はウエイトをしたり、体育館でバスケットやホテルでテニス。とにかく運動すればすぐに息切れ。こうやって心肺機能を鍛えるんだと実感できた。現地では、マラソンの合宿に来てた山下佐知子さん達と食事ができ、あれこれ練習のアドバイスが頂けたりで勉強になりました。国内に戻ってみて感じたこと、それは、高地トレーニングは心肺機能を高めることは出来ても筋力はついていない!そう、レースに行っても、途中呼吸はラクでラクでしょうがなくてもけっして捲りが決まるわけじゃないんです。脚力は向上してないから(笑)やはりマラソンには最適な練習ですね。
 その他にもシアトルに合宿に出かけ、Dr.パーカーの指導を受けてきました。あの野球の清原選手がシーズンオフにトレーニングしてた場所です。そう、国内ではケビン山崎さんのトレですね。アメリカに行って、英語なんて話せるわけのない私が過ごせたんですから、いざとなれば身振り手振りでなんとかなるもんですね。それと、私の担当トレーナーが可愛い女性だったからなんとか理解しようと努力できたからかな。(笑)「グッドジョブ、グッドジョブ」練習中にかけてくれる掛け声がまた可愛い。ホントは苦しいが強がって続けるから追い込める。男にはこの方法だな!そして練習後には、オイルマッサージ。可愛いし、気持ちいいしで全裸で受けたいぐらいでしたが、英語が話せない残念さはそこで味わえた。捕まったら大変なことになるからね(笑)
 Dr.からのアドバイスで、日本でのレースビデオを観て、「サドルが低いから上手く引き足が使えてないから最低でも1センチは上げなさい」と言われました。日本に帰ってサドルを上げてみると、マックスライン超えるやん(涙)

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