きっかけは後閑信一氏の“悔いのない競輪人生だった”の一言。
「僕も引退した時にそう言える競輪人生にしたいなって」
3月久留米の開催中、テレビで後閑氏と吉岡稔真氏の対談番組を見た鈴木。後閑氏の言葉でスイッチが入った。
「今までは、昔の成績が良かったころのペダリングを目指してやっていました。でも、無意識にやっていたことって、やろうと思ってもなかなかできなかったんですよね…。それで、その久留米の開催中からいろんな人に話を聞いて、自分に合ったペダリングを探し始めたんです」
11、13年にはG1決勝に進出。記念でも2度の優勝を誇る鈴木だが、一昨年7月からF1の優勝からも遠ざかっていた。しかし、久留米直後の4月高知でいきなり完全Vを達成。続く西武園でも1182着と、一昨年3月松山以来の記念準決勝にコマを進めた。
「きれいに(脚を)回すと調子が悪い時に分からなくなるから、あえて違和感があるペダリングにしました。それがはまってきた感じです。手応えはありますよ。若い時より踏み出しは悪いですけど、競輪としては強いと思います」
ひとやま越えた鈴木は、ここからさらなる飛躍を目指す。
「トレーニングも自転車の乗り方も、強くなるって分かっていてもそれを実践できる人って少ないと思う。だから、やりきりたいですね。理想は、また特別で活躍することだけど、本当に強い選手って負けない選手だと思うから。まずはそこですね」
完全復活までもう少しだ。
2018年4月25日 更新