上吹越俊一選手鹿児島Ａ級１班プロフィールスポット・インタビュー｜　当たる競輪（けいりん・KEIRIN）無料予想はエンジョイ

　Ｓ級デビュー戦の玉野で６１1着。２日目に初勝利を挙げると、最終日は阿竹智、鈴木裕らを相手に逃げ切り。Ｓ級で上々の滑り出しを見せ、意気揚々として臨んだ続く和歌山記念だったが結果はボロボロ。「ヤバイかな。やっていけるかな」と不安になったと話すが、その後は２戦ともに予選を突破して再び自信を取り戻した。
　いよいよ始まったＳ級挑戦。「まさかテレビで見てた選手と走れるとは…」というのは偽らざる気持ちだ。競輪学校受験にことごとく失敗し、弟の直樹はひと足先に86期に合格。俊一は87期を最後に年齢制限で選手への道を諦めた。しかし、転機は思わぬ形で訪れた。弟の結婚式で「もう一回やってみない？」と弟や師匠（内村豪・67期・引退）に声をかけられたのだ。すでに７年のブランクがあり、「イチからはキツいよな」。その場はやり過ごしたが、弟は本気だった。後日、親に相談し、「資金の面倒は僕がみる」と言ったのだ。これであとに引けなくなり、98回生から再度受験。99回生として合格すると、在校１位、卒記チャンプの２冠に輝いた。
　「でも、デビューしてからは結果が出なくて、Ｓ級には上がれないのかなと思ってた。まくりも出なくなって、開き直って先行したら去年の最初に逃げ切れた。それからは先行回数も増えて、狙えるかもと思った」
　ダメ元だった先行から成績は急上昇。「時間はかかったけど、やっとここまで来ましたね」。今期からは弟とそろってＳ級選手となった。
　昨年夏からは練習でモガく距離を伸ばしてスピード持久力を強化した。その成果は早くもＳ級の舞台で発揮されている。
　「Ｓ級で勝てないなという感じはしない。ただ最近は見てしまうレースが多いので、また先行できるように。あとはとにかく上を目指して頑張りたい」
　活躍が家族への恩返し。一度は諦めた道なら、この先の壁も乗り越えられるはずだ。（音無）

2019年1月18日更新

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