金子幸央 選手 スポット・インタビュー

煮え切らない数年を吹っ切って

金子幸央
金子幸央

 向日町記念を1❺着。4日制では、V奪取の一昨年8月の和歌山以来の優出だった。準決では三谷竜生を乗り越えると、逃げる犬伏湧也をまくりでとらえて、周囲をアッと言わせた。
 「そうは言っても、今回はたまたま決勝に乗っただけですから」
 殊勝にこう振り返った金子幸央だったが、今年の春からの変化が徐々に実を結び始めていた。
 「ここ数年、煮え切らなくて…。自分でもなにがしたいんだろうって。春くらいからですかね、そういう気持ちを吹っ切ってやっていこうと」
 32歳。デビューから13年が過ぎ、選手としてはまだまだこれからだが、決してもう若いわけではない。
 「誰かに言われたんじゃないんですよ。ただ、(付いてもらえる)先輩方にも、(自分に対しての)信頼がなくなってるんじゃないかっていう感じがした。ラインとしての信頼感が薄れているなって。それで(ラインの)誰もが納得する形っていうのが、自分が一番やりたいことだと。それでやれることを少しずつやろうと。僕のなかでは、一歩ずつ前進していた」
 練習に取り組む姿勢から見直した金子は、いままであまり関心のなかった自転車のセッティングにも着手。不慣れながらも、新たな感覚を得るまでになった。
 「練習の内容は変えてないんです。けど、同じ内容でも(取り組み方が変わって)疲れ方が違いました。いままで(セッティングは)まったく気にしてなかった。それで(岡田)泰地さんに聞いてやるようになった。(今回)大幅に変えたのが、かみ合ったのかバチッとハマった。準決も自信になったし、ビックリするくらい自転車が進んだ」
 “毎日を一生懸命”をモットーに、金子は自身の納得するスタイルを求めてる。
 「(栃木をはじめ関東地区から後輩が出てきて)どんどんチャンスが少なくなる。みんな強くなっているし、チャンスを生かせる位置になった時に脚をつけておかないと」
 静かに、力強く言った金子の中には、新し風が吹き込んでいる。

2025年10月07日 更新