谷内健太 選手 スポット・インタビュー
新世代の近畿の先行屋

昨年8月にA級1、2班を9連勝で卒業。これまで2度の特進チャンスで失敗していただけに、谷内健太にとって、ようやくのS級デビューとなったのが、昨年の向日町記念in奈良だった。一次予選と、二次予選は、近畿の先輩を連れて逃げ切りで連勝と、地元記念で鮮烈なデビューを飾ってから約5カ月。奈良記念には、一回り大きくなった谷内の姿があった。
奈良記念は、近畿のSS班が不在だった。そのなかで「自分が決勝に勝ち上がって、いい走りがしたい」と、近畿の先行屋としての責任感を持って、レースに挑んだ。その決意の通りに、地元勢を背負った準決までの3走は、全て突っ張り先行に出た。準決勝は、取鳥雄吾に上を行かれて、ラインの三谷将太を決勝へと送り込んだものの自身は大敗。目標の決勝進出は叶わなかった。
「(取鳥に)出切られてるんで、力不足でした。(課題は)9車立てで、G1クラスの自力選手を相手にしたときに、そこでどう戦えるか。納得のいく競走はできませんでした。(三谷)将太さんがすごい仕事をしてくださっているのも分かったし、自分は前だけ見て踏んでいました。取鳥さんに行かれて、(番手に)ハマってからの対処もだめでした。先行しかできないんじゃなくて、後手になったり、ハマったり、そうなったときの対処がもっと必要だと思います。同じことしかできないのはだめ」
敗戦から学び、自身の課題に向き合う。そのどん欲な姿勢は、最終日のレースにも表れていた。地元の田中大我とはわかれての自力戦。連日同様に前受けから組み立てたが、この日は誘導退避のタイミングで車を下げた。後方に引き切るのではなく、中団で粘る丁寧さも見せて、打鐘4コーナーからのまくりで別線を仕留めた。
「思いっきり切りにくるなら出させようと思ってました。突っ張りだけじゃなくて、いろんなバリエーションの先行をやっていかないといけない。(中団で)フタしてくるのは分かってたけど、あえて勝負しにいきました。僕も、ヨコができないわけじゃないので」
谷内のなかでは、大舞台で近畿の先頭を走る未来が、明確にイメージできている。突っ張り先行だけで戦っていくことは、現実的には難しい。レベルの高いG1では、より細やかな走りが求められる。そこを見据えての最終日の走りだった。9車立ての経験が浅いからこそ、記念では敗者戦であろうと一戦も無駄にはできない。明確に目標を持って、一つ一つ