阿部英斗 選手 スポット・インタビュー
単騎でS班をまとめて粉砕

昨年末のヤンググランプリで出場権を得たウィナーズカップが、阿部英斗にとって初めてのビッグ。九州で3車ラインができあがった一次予選、兄デシの園田匠とタッグを組んだ二次予選は、どことなくチグハグだった。が、単騎になったシリーズ後半に輝きを放った。
「師匠(吉岡稔真・65期、引退)には、おまえは本当に単騎に向いているって言われていた。今日(3日目)、単騎になった時点で師匠のプレッシャーを感じたんですけど、自信をもって走りました」
S班の阿部拓真をすくって、赤板2コーナーで4番手を確保。単騎でも臆することなく阿部が、最終ホーム手前から踏み込む。同期の塩島嵩一朗の逃げをまくりで仕留めると、詰め寄る阿部拓を振り切って金星を挙げた。
「(初日、2日目と)2日間仕掛けられてなかったので、単騎でもちゃんと仕掛けるっていう気持ちをもっていました。単騎で自分のできる最高の結果を残せた」
昨年3月のルーキーチャンピオンを単騎で制しているように、感性の赴くままに組み立てられる一人での走りを得意にしていた。ただ、今シリーズは同期だけのルーキーチャンピオンと違い、位置取りも確かなS班の阿部拓や機動力ではトップクラスの菊池岳仁もいた。それだけにこの1着の価値は、ルーキーチャンピオンとは比較にならない。しかしながら、阿部の進撃はこれだけにはとどまらず、最終日は寺崎浩、阿部拓のS班2人をまとめて撃破。寺崎とのポジション争いにも外併走で踏み勝ち、3日目同様、ロングまくりを放った。
「G1でこういうレースができるように。(後ろからまくりで迫る寺崎に)これで乗り越えられたら、ただ練習するだけと思っていたら、1着だったのですごくうれしかった」
単騎での連勝で存在感を見せたが、手放しで喜んでいるわけではない。
「単騎がいいっていうのは、ただのワガママ。しっかりとラインでも勝てるように、これからは脚をつけていきたい。過信せずにもっと練習をしていきたい。喜ぶのは今日までにしておきます」
ラインの競輪に立ち返り、気持ちをスイッチする阿部が目指す場所はまだ先にある。