野中龍之介 選手 スポット・インタビュー
まだ何もかも足りない

「自分でもどれくらい走れるか、(不安より)楽しみの方が大きいです」
こう言って目を輝かせた野中龍之介の初めてのビッグ、共同通信社杯は着。一次予選では佐々木龍と息が合わずも、持ち前のダッシュで堀江省吾を叩いて主導権。ビッグデビュー戦で見せ場をつくった。3日目は先行策に出て、番手の長田龍拳にビッグ初勝利をプレゼントして、自身も同着の2着に踏ん張った。
「長田さんが付いてくださったので、自分のできることはやりたかった。初日は自分の仕掛けがあいまいで、後ろが付いてこられなかった。でも、やりたいことはできた。2日目は行くところで行けなくて、後ろに迷惑を掛けてしまった。今日(3日目)はしっかりと修正できたので、そこは良かった」
手応えをつかんで臨んだ最終日だったが、山崎賢人に主導権を握られ、反撃のタイミングを逸して不完全燃焼。G1のファイナリストで世界選手権のケイリン金メダリストの山崎に、格の違いを見せつけられた。
「最終日も、行くとしたら(最終)ホームのあそこしかなかった。けど、詰まって内に差してしまった。相手は世界チャンピオンですし、あの一瞬を逃してしまうともうダメでした」
昨年5月にデビューした野中は、チャレンジを8場所で卒業。A級1、2班戦では先を見据えた内容重視の組み立てで、今年3月にチャレンジ同様の3場所連続の完全Vで特進。S級にステージを上げた。
「ここまではわりとうまくいっている方かなと。チャレンジはすぐに特進したかったけど、A級(1、2班戦)は特進、特進というよりも、しっかりと主導権を取って力を出し切れるように。そしたら運良く特進ができた。A級の時はしっかりと逃げて長い距離をいけないと、まくりも出ないなって感じました。(S級に上がって)いまは自分でレースを動かしていった方が、結果がいい」
ホームの川崎バンクでは、S班の郡司浩平や小原太樹グループら、G1戦線で力を見せている選手たちにもまれて汗を流している。
「練習は(郡司)浩平さん、小原一門の方々とやらせてもらっています。まだ上の人たちと比べると、何もかもが足りていない。こういうところで練習ができるのは、自分にとってすごいプラスになっています」
まだ走り足りないような表情で、シリーズを振り返った野中。手放しで喜べる内容ではないが、やりがいを感じた4走でもあっただろう。