• 立川競輪場12/28〜12/30

KEIRINグランプリ

主役は関東コンビ

平原康多

平原康多

  •  優勝賞金1億160万円(副賞含む)をかけた輪界最高峰の一発勝負「KEIRINグランプリ2016(GP)」が12月30日に争われる。輪界を代表する9選手が立川競輪場を舞台に覇を競う。

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インタビュー

  • 渡邉
  • 一成
  • 激動の一年を締めくくる

  •  2月全日本選抜で念願のG1初制覇。GP出場の権利を真っ先につかんだ。
     「2月の時点でオリンピックの出場枠も取れてなくて、あきらめていた矢先のG1制覇だった。それで今年最初にタイトルを獲って、一番最初に責任のある立場になった」
     その後は一転、五輪出場枠を獲得。リオで3大会連続の五輪出場を果たした。ハードなスケジュールを余儀なくされたが、重責と向き合いながら濃密な一年を戦い抜いた。
     「来年はSS班だし、どんな厳しい展開でも活路を見出していきたい。淡泊にならないように。GPは来年につながるように走りたい。一発勝負だし、僕は新田君がどう走るかで勝敗が大きく左右されてくると思う。それでも新田君がどんなまくりになっても、たとえ追い込みになったとしても、自分が抜くっていう気持ちでいる」
     日の丸を背負い自転車競技をけん引してきた渡邉が、オリンピックイヤーのGPで表彰台の真ん中に立つ。

  • 村上
  • 義弘
  • グランプリで燃え尽きる

  •  競輪選手の誰もが憧れる夢舞台。7年連続10回目、選ばれし9人のなかに今年も村上がいる。
     「いろんな公営競技で、その年を代表する選手が年末に勝負するのが日本の風物詩になっている。これをキッカケに競輪に興味を持ってくれるファンもいると思うので、自分も一年間を代表するひとりとして最大限に力を発揮したい」
     4度目のダービー制覇となった3月の名古屋を含めて、今年はG1で4度の優出。一年を通して、ファンが求める“村上”を目に焼きつかせてきた。そのなかで、年々、そして日々変化していく己の肉体との葛藤が続いた。
     「コンディションをうまく安定させることに苦しんだ一年だった。大きな舞台に向かってしっかりとコンディショニングすることが大事」と、今年を振り返ったが、一発勝負のGPでは最高のパフォーマンスを約束する。
     「ひとつのレースで燃え尽きられるように」

  • 中川
  • 誠一郎
  • 期待を胸に夢の舞台へ

  •  今年は激動の1年だった。熊本地震後の静岡ダービーでは、神がかり的な強さで悲願のG1初制覇。2度目のオリンピックを経験し、帰国後は熊本記念in久留米で地元記念初優勝を遂げ、「最高の年でした」と振り返る。「ダービーは偶然が重なった感じだったけど、久留米では狙って獲れた。責任感が出てきたというか、成長したと思う」。本人よりも先に、周囲は早くからグランプリモードだ。「皆から『一発獲れるよ』と言われます。グランプリは目標だったし走れるのは嬉しい」。最後のG1・競輪祭を終えると自身も気持ちは最終決戦へ。被災地熊本の期待を背負い、初のグランプリに乗り込む。「緊張より楽しみの方が強いですね。(4年前の)ロンドン五輪が人生で1番緊張したし、もうあれ以上はないと思ってるので。細かい点を修整をして、1番良い状態で走ります」。もうフロックとは言わせない。自らの実力で、2016年の暮れに劇的ドラマを完結させる。

  • 新田
  • 祐大
  • 昨年大会の雪辱を果たす

  •  昨年はダービー、オールスターと2大G1タイトルを制しての出場。今年のG1優勝は6月高松宮記念杯だけだったが、1年間で決勝進出を逃したのは10月寬仁親王牌を含めてわずか3回と安定感は抜群だった。
     「昨年と同じG1を獲ることはできなかったけど、違うところで結果が出た。今年は集中して挑むときと、リラックスして挑むときと2種類の精神状態でレースを走れたし悪くはなかったと思う。今年中盤は代表としてドリームシーカーの運営に携わるなかで経験してない負荷がかかったけど、それもすごくいいこと。来年に生かせると思う」
     競輪祭のあとは「グランプリのための時間」。1カ月後のレースを万全の状態で迎えるための準備期間に入った。本番に向けては「一成さんと2人でチャンスを生かせるレース展開に持っていけるように」。山崎芳仁と組んで2位に終わった昨年大会の雪辱を果たす。

  • 岩津
  • 裕介
  • 状態をどこまで戻せるか

  •  松戸オールスターでは稲垣裕の番手まくりをとらえてG1初優勝を飾ったが「優勝できたのは大きかった。でも調子自体は下降線。なかなか上がらない…」。流れに乗って優勝はしたものの、好調を実感した今年序盤の感覚にはなかなか戻らない。競輪祭でも「思うようなレースができなかった」と、きっかけをつかめないままグランプリ前最後の実戦を終えた。
     「競輪祭の状態では厳しい。本当はもう一本走りたいぐらいだけど、そこは選手15年やってるんで何とか。1カ月で計画を立ててやっていく」
     状態はともかく、今年はタイトルホルダーとして迎える2度目のグランプリだ。「1回目の経験が生きるようにしたい。普通のレースとは違うので、どうやったら自分が優勝できるか考えながら。3つの選択肢から戦い方を決めたい」。どこまで立て直せるか、そしてどんな組み立てを選ぶのか。岩津の戦いぶりに注目だ。

  • 稲垣
  • 裕之
  • G1を制し連続出場

  •  2年連続のグランプリ出場。そして今年はタイトルホルダーとしての参戦だ。「今年はG1を獲って、グランプリっていうのを目標にしていた」。まさに有言実行の1年。年頭の和歌山記念で「(グランプリユニフォームが)いい緊張感を与えてくれる」と話したとおり、S級S班としての責任感が、稲垣をひと回りもふた回りも大きくした。
     「(昨年グランプリに出て)また必ず出たいって思ったんで、それが実現できたのは幸せです。去年とは違う気持ちで臨んでいきたい」
     佐世保記念でフレーム選択を含め、本番へ向けた最後の試運転は終了した。「競輪祭の決勝は平原の強さを見せつけられた。もう一回関東の2人と戦えるのは楽しみです。最高の状態で走るために、やれることをやります」。今年も村上とタッグを組んで最高の舞台に挑む。

  • 平原
  • 康多
  • 独特の雰囲気のなか平常心で

  •  千両役者が不在では、やはりグランプリは盛り上がらない。最後のG1競輪祭で、武田豊樹と3年連続のワンツーを決め見事優勝。滑り込みで7度目のグランプリ出場を決めた。今年は全日本選抜の初日に内側追い抜きで失格を喫すると、そこから歯車が狂い出し、2月奈良記念、3月ダービー、5月宇都宮(入後落)、9月共同杯と落車。怪我に泣かされた1年だった。土壇場の大逆転ドラマに、本人も「こういうこともあるんですね。こんな経験は競輪人生でないと思う」と驚く。そして同時に「気持ちはグランプリ1本へ。精神状態を持っていかないと」と切り替え、モチベーションを高める。暮れの大一番で、盟友・武田と再び奇跡を巻き起こす。「落車の影響はまだあるけど、気力でカバーしていくしかない。グランプリは特別とはまた違って雰囲気も独特なので、そのなかで平常心でいけるように。心と体をもう1回作って、グランプリの特別な舞台でまた頑張りたい」。

  • 浅井
  • 康太
  • ゼロからさらなる高みへ

  •  「競輪学校を卒業した時がゼロだとしたら、そこから始めてGPを優勝した。それでまた自分はゼロに立ち返った。毎回、ゼロに戻すことでいろいろ発見することがある。それを繰り返すことで、どんどん上積みをしていきたい」
     GP制覇で頂点を極めた男は、臆することなくリセット。まっさらな気持ちで16年を始動した。そして6度の記念VにG2サマーナイトフェスティバルを優勝。6年連続のGP出場をつかんだ。
     「競輪をやりだしたのも、親父が競輪を好きだったから。去年までは、その親父のために頑張ってきた」
     9年前に47歳の若さで他界した父に捧げたGPV。連覇がかかる今年は、自分のために激闘の舞台に身を投じる。
     「今年は自分のために、もう一回GPを獲る。それで2連覇を達成したい」
     まだ見ぬ境地へ。さらなる“自分”を構築していく浅井が、GP連覇へと駆けあがる。

  • 武田
  • 豊樹
  • 試練に耐え、つかんだ大舞台

  •  1月和歌山記念の落車から1年がスタートすると、6月の高松宮記念杯、11月防府記念と要所で落車。番手回りで狙われるなど、今年は試練の1年となった。
     「今年1年は気力が充実してなかったので苦しかったですね。番手回りが増えて、競輪の厳しさを感じましたね。でも、後輩が頑張ってくれてるので、自分も何とかしないとと思って頑張ってきたつもりです」
     背水の陣で挑んだ競輪祭は、盟友・平原康多と決勝ワンツーと土壇場で大逆転。3年連続8回目の大舞台へ、勢いそのまま乗り込む。「今までは早い段階で決めてたからね。競輪祭でどうにかなるかなと多少はあったけど、12月は記念にいくことを考えてたし。すぐに気持ちを切り替えてグランプリを目指します。関東が出てないのは今までないので、2人で乗れてよかった。1人でも寂しいからね。平原と2人で力を合わせて頑張ります」。

ヤンググランプリ

新山響を軸に精鋭そろう

新山響平

新山響平

インタビュー

  • 新山
  • 響平
  •  直前インタビュー 1

  •  楽しみですよ。一発の勝負だし、自分は単騎みたいですからね。敵はみんなです。誰かを意識しすぎて、自分が足もとをすくわれても嫌なんで。変な競走をしても獲れればいいけど、逆に獲れなかったら自分に残るものがなにもない。だから、自分の競走をしたい。やれることをしっかりとやって、あとは力を出し切れれば、結果はついてくると思っています。

  • 吉田
  • 拓矢
  •  直前インタビュー 2

  •  出れると思ってたし、決まったからといって特に変化はないです。(鈴木竜士とも連係せず)お互い話し合って単騎でやります。そっちのほうがお互い気持ちよく走れると思うんで。今回は普通に全員が敵だし、特別新山(響平)さんだけを意識ってわけにもいかないんで。今回はご褒美レース、ボーナスステージだと思って。獲れたらいいなくらいでいきます。

推奨選手

  • 鈴木
  • 竜士
  •  Pick Up 1

  •  昨年8月京王閣から、驚異の18連勝でS級の仲間入り。今年は2月京王閣、8月当所をVと争覇級の実力者にまで成長した。別線となった吉田らと真っ向勝負を演じる。

  • 渡邉
  • 雄太
  •  Pick Up 2

  •  叔父で師匠の渡邉晴智に従事し、105期のなかでいち早くS級特進を決めた。今年は7月福井でS級初Vと着実に成長を遂げている。2度目のYGPで栄光を手にするか。

  • 神田
  •  Pick Up 3

  •  着実に階段を上り、今年から晴れてS級に昇格。先行基本のスタイルは崩さずに、散発的ながら優出を果たしている。初の大舞台で存在をアピールできるか。

  • 小笹
  • 隼人
  •  Pick Up 4

  •  徹底先行で脚力を磨き、今年からS級に挑戦。近況はダッシュを生かした、カマシ、まくりを織り交ぜて好走を見せている。持ち前の積極性で、ライバルたちに一泡吹かせる。

  • 畑段
  • 嵐士
  •  Pick Up 5

  •  昨年4月のルーキーチャンピオンレースや、12月のレインボーA級ファイナルをVと一発勝負に強い。巧みなレース運びと、先行も辞さない変幻自在な攻めは脅威だ。

  • 取鳥
  • 雄吾
  •  Pick Up 6

  •  吉田ら同期には遅れたが、今年5月にS級へ特進。その後も積極的な競走で成績を上昇させ、YGP出場を決めた。伸びしろは十分で、将来は中四国を担う逸材だ。

  • 野口
  • 大誠
  •  Pick Up 7

  •  アマチュア時代から競技で活躍し、105期の在校成績1位を獲得。昨年のYGPの覇者で、史上初の連覇を狙う。「出れるチャンスが貰えたし、出るからには獲りたい」

ガールズグランプリ

高木真備が真の女王へ

高木真備

高木真備

インタビュー

  • 奥井
  •  直前インタビュー 1

  •  ビッグレースでの優勝こそない。しかしガールズ先行日本一としてブレない信念に基づき、デビュー以降徹底先行を貫く。3月ガールズケイリンコレクション・名古屋ステージでは後続で落車もあったが2着に逃げ粘り。その後のビッグでも主導権は譲っていない。その結果、昨年に続き2回目のグランプリ出場権を得た。
     「ガールズグランプリへはいつも通りの感じで臨みます。意識はしながらですけど。(戦い方の)基本はもちろん先行で。そこは崩さずに、ブレずにですね」
     ガールズグランプリはいつものレース以上にマークがきつくなる。それでも地元の立川で初めて迎える大舞台。逃げ切りでの優勝だけを信じて、奥井は困難に立ち向かう。ファンもこのスタイルだからこそ応援したくなるのだ。
     「地元でガールズグランプリを走れるのは、すごく幸せなことです。プレッシャーもありますけど、ファンの声援もあるし、プレッシャーもしっかり力に変えて走りたいです。あとはファンのみなさまに後押ししてもらいます」

  • 児玉
  • 碧衣
  •  直前インタビュー 2

  •  昨年7月にデビューすると、年をまたぎ6場所連続完全Vと瞬く間にトップレーサーの仲間入り。ビッグでも7月ガールズフェスティバル、8月ガールズコレクション・松戸ステージで準Vとその力を存分に発揮。しかし本人は、「コレクションとか走ってきたんですけど、力の差は感じなかったです。けど、レース展開が読めてなかったです。オールスター(8月コレクション・松戸)もいい位置にいればと思ったけど、33(バンク)だったし、3番手では厳しかったです。(高木)真備さんの位置にいなければダメでした」と反省を口にし、満足した様子はない。
     「足りない部分を少しずつ埋めたい」と、飽くなき向上心を持って、初めてとなるグランプリへ挑む。
     「グランプリ出場は最低限の目標でした。みんな強いんで、レース展開は読めないです。でもダッシュが持ち味なんで、ダッシュで力をみせたいです。迷わず強い気持ちで。今回は(小林)優香さんも出れないし、優香さんの分も。コレクションは2着だったし優勝できるように」

寺内大吉記念杯競輪(GP別層)用

主役は譲れぬ脇本雄

脇本雄太

脇本雄太

推奨選手

  • 濱田
  • 浩司
  •  Pick Up 1

  •  自力を封印したが、徐々に追い込みが板に付いてきており、10月千葉記念の準Vなど、成績は高いレベルで安定している。当所は直線が長いので、目標不在でも突っ込み怖い。

  • 太田
  • 竜馬
  •  Pick Up 2

  •  スーパールーキーが12月からS級に参戦。初戦の岸和田記念は4日間逃げまくり一次予選、3日目特選と2勝を挙げた。大器を予感させるレース内容で、今節も連日注目したい。

  • 坂本
  • 周輝
  •  Pick Up 3

  •  11月武雄記念は1着と3勝。準決進出を逃がした二次予選も先行して3着とはタイヤ差の大接戦だった。機動力には一段と磨きがかかっており、格上相手の一発魅力だ。

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