• 大宮競輪場開設69周年記念東日本発祥倉茂記念杯1/18〜1/21

後記 GⅢ 大宮 01/18

菅田壱が2度目の美酒

菅田壱道

菅田壱道

 村上選手の強襲を、こん身のハンドル投げで退けた菅田選手。09年以来の記念優勝にまさに感無量。

 無傷で勝ち上がった地元のエース、平原の存在が際立っていた決勝戦。しかし、勝ったのは伏兵、菅田だった。ラスト1周、関東コンビの連係が外れると、単騎で前を行く吉澤を目がけてこん身のまくり。見事に混戦を制した。
 「自分のタイミングで踏めたし、体が勝手に動いた。溜めて、溜めてと思ってたら、(村上)博幸さんに張られてた。考えずに踏めたのが勝因ですね。力勝負で勝てたのは自信になります」
 デビュー3年に満たない09年6月、久留米で記念初Vを飾った。その後は「GIを獲る」ことを目標に掲げたが、怪我もあり結果を出せず。「(家族に)やめたいと言ったこともある…」。そう振り返ると、菅田は言葉を詰まらせた。
 「長かった9年ですね。結果が出ず、苦しかった。何回も腐りそうになったけど、踏みとどまって勝てたんで。まだ信じられないけど、間違ってなかったなと思う」
 雌伏のときは過ぎた。次なる目標は「もちろんGI」だ。「力の差はある。まだまだ甘えることなく力を付けていきたい」。最後は晴れやかな笑顔で意気込みを話す。
 吉澤を迂回する形で4コーナーから外を回した村上が菅田に猛然と迫ったが、僅かに届かなかった。
 「ええ伸びやったけど。スピード的には届いたと思った。でも自信を持って走れてますね。届かなかったけど、納得の伸び足。でも、あそこまで行ったら勝ちたかった」
 稲垣は3着。吉澤とバックからつばぜり合いをしている上を菅田にまくられてしまった。
 「古性君と吉澤君が普段以上にぶつかり合って、そのなかで古性君が頑張ってくれた。チャンスがあったけど、力不足でしたね」
 地元で完全V。その期待を一身に背負って戦った平原だったが、1コーナーで橋本をキメた勢いで柴崎の内に差し込み万事休す。
 「吉澤君が行けないと思ってキメに行ったら内に差してしまった。負けパターンですね。ただ吉澤君とこうやって失敗して勉強していかないと。いつも勝てるわけじゃないですし、悔しいけど次回また」
 「ミスは最終バックでしたね」とレースを振り返るのは柴崎だ。
 「小野さんとかぶる前に(菅田に)付いて行けてたら優勝してた。あそこだけ。ちょっと悔しい」

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 台和紀

 スタートを取った平原が目標の吉澤を迎え入れて前受け、中団は古性-稲垣-村上、柴崎-橋本、後方に菅田-小野の並びで隊列は落ち着く。 赤板で菅田がゆっくり上昇を開始。柴崎がこのラインを追っていく。打鐘前に菅田が誘導員を下ろしてピッチを緩めると、柴崎が切って、その上を古性が押さえて主導権。8番手となった吉澤は打鐘の4コーナーから反撃に出るが、古性もペースを上げる。吉澤が厳しいと判断した平原は1センターで内に降りる。吉澤を追いかける形から菅田が外を好回転でまくり上げる。番手まくりで応戦した稲垣、さらに吉澤をバックで抜き去った菅田がそのまま後続を力強く振り切った。吉澤の外に回して追い込んだ村上がゴール寸前で稲垣を交わして2着に入った。

ページトップへ