主役は譲れぬ平原康

平原康多
S級S班の平原康多が今年も必勝を期して地元記念に登場する。当所記念では59、61、62、64、66、68周年大会でVをゲット。ここ10年で6Vと圧倒的な強さを披露している。探求心は旺盛で、進化はとどまるところを知らない。昨年は2月に全日本選抜で優勝。G1タイトル獲得数を7まで伸ばし、5年連続となるグランプリ出場を果たした。そのグランプリでも最終的に先制した中部コンビの3番手を確保していて、輪界を代表するオールラウンダーと評価されるレース巧者ぶりを遺憾なく発揮。残念ながら結果は不発に終わったものの、遅めのまくり差しには構えず、最終2角を立ち直ったところから仕掛けて出た攻撃的な走りは平原らしかった。今節もいつも通りの強気な走りでレースの主導権を握り、他を沈黙させる公算が大きい。関東では吉澤純平、神山雄一郎の茨栃コンビも強力な勢力だ。昨年の吉澤は落車負傷で欠場を余儀なくされた期間もあったが、6月に地元の取手記念を制すなど3Vを飾っている。持ち前の自力攻撃には一段と磨きがかかった感があり、タイミングよく仕掛けて先制なれば好勝負に持ち込める。神山は競輪祭の二次予選では平原康のまくりに食い下がって2着。49歳の大ベテランながら随所でレジェンドらしい走りを披露している。地元勢の勝ち上がり次第で平原との連係は流動的だが、目が離せない。

三谷竜生
三谷竜生、稲垣裕之、古性優作、村上博幸と強力布陣の近畿勢が平原を相手にどう出るか注目される。昨年は京王閣ダービーを制覇してタイトルホルダーの仲間入りを果たした三谷は、相手が誰であろうと物怖じしない強気の走りが売り。落車もあってなかなか体調が整わない感もあったが、そろそろ上向いてくる頃だろう。攻撃的な競走で平原に襲い掛かる。競輪祭で落車した稲垣は12月広島記念から復帰して決勝進出。好調時のような力強さには欠けたものの、それでも決勝を外さなかったのは実力の証しだろう。古性、村上が追加参戦したことで、地区的には最大の勢力になっている。さらにレース巧者の南修二が加われば、ラインの厚みが増す。平原撃破のシーンは十分だろう。

太田竜馬 欠場
太田竜馬の欠場により、中四国勢は戦力ダウンしたが、桑原大志の動向には注目が集まる。SS班となって初めての記念シリーズ。今年初戦の走りは今後を大きく左右する。成長著しい清水裕友や橋本強らとラインを組んで、しっかり勝ち上がる。
佐藤慎太郎も有力なV候補のひとりだ。今年初戦の平でVと好スタートを切った。坂本貴史の追加参戦も心強い。500バンクなら多少位置が悪くても突っ込んでくるだろう。変幻自在に攻める松岡貴久の一発も怖い。