• 川崎競輪場開設72周年記念桜花賞・海老澤清杯4/8〜4/11

後記 GⅢ 川崎 04/08

郡司浩平が3度目の桜花賞制覇

郡司浩平

郡司浩平

決勝優勝写真
決勝優勝写真
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 反撃の態勢を整えた松井宏佑が、山降ろしでスピードに乗せて踏み込む。打鐘過ぎに主導権を握った松井に、郡司浩平、松谷秀幸まで地元の3車が出切る。清水裕友、古性優作、さらには山崎賢人。別線に気の抜けない“刺客”がいたが、この展開で郡司が落とすわけにはいかなかった。
 「(山崎の押さえに行くのが)遅かったんで嫌な感じはあったけど。清水が1回、前に踏んでくれたんで、(松井)宏佑もいいタイミングで行けたんじゃないかと」
 逃げる松井との車間を空けた郡司は、別線のまくりに備えて抜かりなく間合いを取る。4番手の清水が最終2コーナーから襲い掛かると、合わせるように車間を詰めて一発、清水を外に張った。
 「アイツ(清水)も位置取りにこだわってやっているなかで、(周回中は)前でもいい位置を取ってしっかりと仕掛けてくる。自分も踏みながら横に張りながらだった。車間を空けてたんで、その分、吸い込まれるように余裕をもって合わせられた。戻ったけど、詰まってしまってたんで、その上を古性が来るかもしれないっていうのもあって、早かったけど前に踏ませてもらった」
 清水のまくりを阻んだ時点で勝負の大勢は決していた。あとは前に踏んでゴールを先頭で駆け抜けるだけだった。
 「SSとして桜花賞に参加させてもらって、立場的にも結果を残さないといけなかった」
 昨年11月の競輪祭からG1連覇となった2月全日本選抜ではホームの川崎で念願のタイトルを奪取したが、新型コロナウイルス感染症の影響で無観客だった。それだけにお客さんが入っていた今シリーズは、ファンの目の前でウイニングランを是が非でも実現させたかった。
 「全日本選抜ではこうやって優勝の報告ができなかったんで、最高の形で締めくくれた。周りを含めてみんなに感謝ですね。(競輪祭、全日本選抜から続く5月のダービーでのG1を3連続優勝は)そこまで意識せず、ダービーを目指してさらに強くなれるようにやっていかないと」
 通算11回目のG3制覇。地元ファンの声援に応えるポーズも、すっかり様になっている。

 1車身差の2着に松谷秀幸が流れ込んで、ホームの2人が上位を独占。郡司を後ろで支えた松谷が汗をぬぐう。
 「3番手はキツかった。ずっと締めてなきゃいけなかった。バックで(郡司が)振ったところも締めてなきゃと。自分も余裕があればと思ったけど、それでいっぱいだった。あとは(郡司)浩平が絶対に1着をと。自分が抜ければ良かったど、最低でもワンツーはっていうのがあった」

 「郡司さんの番手まくりをくらってる日本一かも(笑)」と、振り返ったのは清水裕友。4番手まくりを郡司に阻まれるも、3着に踏ん張った。
 「一瞬、越えたかと思ったけど、(郡司が)一枚上でした。やられっぱなしだけど、力勝負はできた。いい感触をつかめたんで今回は収穫があった」

Race Playback

レース展開4
主導権を握った松井宏佑選手の番手から早めに追い込んだ郡司浩平選手が抜け出して3度目の地元記念制覇。松谷秀幸選手が流れ込み地元ワンツー。清水裕友選手が3着。

レース経過

誘導員 : 山田幸司

 スタートで前に出た桑原大志が正攻法に清水裕友を迎え入れて山口コンビが前受け。3番手以降は松井宏佑-郡司浩平-松谷秀幸、古性優作-南修二、山崎賢人-佐々木雄一の並び。 青板4コーナーから山崎が上昇するが、車間を切って待ち構えていた清水がこれを突っ張って出させない。山崎の動きに続いていた古性はすかさず内をすくって3番手を確保。突っ張った清水がペースを落とすと、2コーナー山おろしで仕掛けた松井が打鐘過ぎから主導権。郡司、松谷が続き、下げた清水は4番手に位置取る。4コーナーから山崎が巻き返すが、この仕掛けに合わせて古性が、さらに2コーナーからは清水もまくって出る。清水はあっという間に郡司に並びかけたが、車間を切って待ち受けていた郡司は3コーナーで清水を張りながら踏み込んで昨年10月熊本記念in久留米以来、通算11回目の記念優勝。2着には松谷が続き、清水が3着に粘り込んだ。

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