痛烈まくりでゴール前逆転
寺崎浩平
「ようやく優勝できました」。昨年8月に函館のオールスターでをGIを優勝している寺崎浩平ながら、記念制覇は今回が初めて。全プロ記念が終わってすぐのシリーズだったものの、近畿地区で行われる高松宮記念杯に向けて気持ちを切らすことなく戦い抜き、強力な関東SSコンビを乗り越えて優勝をつかみ取った。
吉田拓矢が打鐘過ぎから地元勢を連れて強い気持ちで積極策に出る。後方に置かれてしまった寺崎だが、決して焦ることなく反撃のチャンスを窺った。
「(初手は)前か後ろでと思っていたけど、前の方が動きやすいかと。理想は関東勢を叩いて先行でしたけど。誘導を残して引いて、タイミングを見て行こうと思ったんですけど。ハイピッチで行くタイミングがなく、隙がなかったので。一か八かっていう感じでした」
吉田が軽快に逃げるなかで、最終2コーナーから踏み込んで行った寺崎は、西田優大の仕掛けを見つつ、眞杉匠の動向を探っていた。
「力で乗り越えて行ける感じだったので、落ち着いて回していきました。吉田君が初日に強いレースをしていたので、関東勢で決まるかなって感じでしたけど。眞杉君も(吉田を)残せるか残せないか迷って、あの形になったと思いますし。僕的には展開が向いたなって。あのまま(最終3コーナーで)進み過ぎると、(最終2)センターで眞杉にブロックされますし。初日のことがあったので、センター過ぎに伸びるように踏みました」
初日特選で眞杉にブロックされて飛ばされた失敗があったからこそ、同じ轍は踏むまいと冷静に運んだ。2日目、3日目とまくりではあったが、長い距離を踏んでいた寺崎。確かな手応えと自信が優勝へとつながった。
次走は2週間後に岸和田競輪場で行われる高松宮記念杯。今年は全日本選抜競輪は脇本雄太、日本選手権は古性優作と近畿勢がGIを連続で優勝している。今シリーズで弾みをつけた寺崎が、近畿で今年3つ目のGIタイトルを目指す。
「本当に弾みになりますし、宮杯に向けていい流れを自分で作れたので。この流れを崩さないように。今回は長い距離も踏めた開催だったので。手応えとしていいものがあったと思います。明日からまた練習して、宮杯につなげていきたい」
地元の眞杉匠は初日特選でも連係した吉田をリードしながら有利にレースを進めていたが、勝負所の判断に迷いが出てしまいゴール寸前で優勝を逃して悔しい2着となってしまった。
「(初手は)中団からでした。(吉田は)若干焦っている感じだったけど、寺(寺崎)もいるわけだし。中団(の西田)が先に来て迷った。これは(寺崎の)目標になっちゃうなと。バックから(自分で踏んで)行くべきでした。申し訳ない。(寺崎は)見えなかったけど、来るだろうなとは思っていた。もうワンテンポ早く行くべきでした。(吉田が)あれだけ行ってくれたので、獲りきりたかった。悔しい。(今年は決勝で)勝ち切れないことが多いし、2着ばっかりで悔しい。いつも近畿に獲られている」
後方からまくり上げていった寺崎を懸命に追い掛けた三谷竜生が3着に入線。今シリーズは初日から動きが軽快で、近況の悪い流れを断ち切って決勝進出。寺崎の番手回りで、久しぶりの記念制覇を目指して挑んだ。
「(初手は)中団が理想で、関東が前を取ってくれれば良かったんですけど。(併走になっていた)嶋津(拓弥)さんの動きが邪魔になっていましたね。(寺崎は)一回止まったように見えたけど、強かったですね。(眞杉を)のみ込んでいるんだからすごいと思います。自分はいつも通り走れました。寺崎は抜けなくても、眞杉は抜きたかった。(前回の)武雄から動き自体は手応えがあったし、今回は結果を残せればと思っていたので、最低限の結果かなと。(高松宮記念杯が控えているが)しっかり頑張ります」