ピックアップ GⅠ 函館 08/12
昨年同様、6日制のシリーズではあったオールスターだが、今年からは勝ち上がりシステムが変更。ドリームレース(5着まで)、オリオン賞レース(2着)から3日目のシャイニングスター賞に行くと、失格以外は無条件で準々決勝をパス。4日目の1日の休養を経て、準決に進める大きなアドバンテージがドリーム、オリオン賞組にはあった。しかしながら、結果としてこのアドバンテージを生かして優出を果たしたのは、吉田拓矢のみ。古性優作、脇本雄太、太田海也のドリーム組も、4走をこなして決勝にたどり着いた。
「ここ最近のなかで一番、動けていると思う。明日(4日目)、1日空くので(どう過ごすか)慎重に考えたい」とは、シャイニングスター賞後の深谷知広。ドリーム、シャイニングスター賞ではともに、ラインの郡司浩平とワンツー。抜群の仕上がりを見せていたが、準決4着で優出を逃すと、最終日は見せ場なく9着に敗れた。

眞杉匠
ドリーム5着、シャイニングスター賞9着の眞杉匠は、準決で先行策に出たものの、まさかのシンガリに沈んだ。

鈴木玄人
「正直、シリーズを通して思うレースはできなかった。昨日(準決)も展開は絶好なのに思うように掛からなくて弱かった。(オールスター前の)合宿の感じは良かったんで、オールスターを楽しみに練習をやってきた。ドリームはファン投票で選んでもらえたから走れるのに、なにもせずに、シャイニングスター賞、準決も9着、9着だった。それを踏まえて今日は考えながら行こうと思っていたけど、(鈴木玄人に)差されていますし、まだまだです」
同じ6日制でも特選、一次予選とも、4走目が決勝になる日本選手権。ポイント制の予選を経て5走を要する高松宮記念杯、競輪祭。そのどちらとも違い、シリーズ中の勝ち上がりによって、4走か5走になる今年のオールスターは、改革一発目とあって選手のコンディショニングの難しさがあったのかもしれない。ただ、この変化に対応できるのも、超一流としての資質。来年以降を注視したい。

中石湊
初めてのG1が地元のオールスターになった中石湊。「(ルーキーチャンピオンで1回9車立てを経験しているけど)9車立てでのライン戦は初めて」。特進で4月にS級にステージを上げて、G3すら経験したこともなく、初めてづくしながらも、そのポテンシャルで存在感を見せた。
「初めて推薦で(G1を)走らせていただいたんですけど、力を出し切れず終わったレースが多かった。経験不足だったり、脚力不足だったりを感じました。(4、5走目と突っ張り先行をして)新山(響平)さんに教えていただいて、実戦をした。北日本のいろいろな先輩たちにも、アドバイスをいただいた。先輩たちに信頼してもらえる走りができるように改善していきたい。(9車立ては)7車とは違うっていうのは頭で考えてはいたんですけど、実際に体で走ってみると難しいなと思いました。でも、いい経験になりました」
デビュー6年目に突入した鈴木玄人も、これが初めてのG1。シリーズを着。「自在含みの自力選手(の自分)が、(別線の)先輩選手につけこんで、セコい立ち回りをしているだけかなって思います」と、古性優作とぶつかった準々決勝Aでは、自ちょう気味に振り返った。最終日は先行した眞杉匠を交わしてG1初勝利。鈴木らしい色は出せたのだろうが…。
「(最終日は)眞杉さまさまです。超一流のトップレベルの番手で、1個、2個でも吸収できるようにと。立ち回りとか勉強になりました。なかなかできることではない。(G1初勝利は)眞杉のおかげですから。(初めてのG1は)良くも悪くも、やめっぷりの悪いレースができたと思う。あきらめない気持ちは、G1でも通用したので、今後はもっとタテ脚をつけたい。眞杉の求めているのは番手だけというよりは、自力と番手で交互にできる選手だと思う。(自分もそうやって)交換しながら走れるようになりたい」

浅井康太
藤井侑吾の番手でオリオン賞からシリーズをスタートした浅井康太は、シャイニングスター賞、準決では山口拳矢マーク。中部の自力選手に任せてきたが、最終日は「無理を言って」と、纐纈洸翔の前で自力を選択。深谷知広を後方に置いて、鮮やかなまくりで犬伏湧也、清水裕友のタッグを仕留めて、白星でシリーズを締めた。
「せっかくファンの人に選んでもらったので、(最終日は)自力を楽しみたいなっていうのもあった。後ろを回る機会が増えて、自力の回数が減ってきていた。それで競輪を楽しめてないっていうのもあった。楽しむことが一番の成長につながる。昔は受けて立つ立場だったけど、いまは当たって砕けろじゃないけど、チャレンジャー精神ですね。落ちてきたいま、そういうチャレンジャー精神が大事だと思う」