ピックアップ GⅢ 富山 07/31
犬伏湧也のほかに2人いたS班の選手の欠場があり、今シリーズは犬伏の“一人横綱”。「自分の力を出して、さらに結果を求められるのがSS。そこは(内容と結果の)両立をしていきたい」。犬伏は、その肩に重責を担っての4走だった。準決では薄氷を踏む思いでの3着優出。バンクレコードを叩き出した山口拳矢に3車身離された決勝は、展開に泣かされた面も大きかったが、「ラインがバラけてしまったら、自分が優勝しないと意味がない」と、決して言い訳することなく、V逸を振り返った。ただ、動き自体が悪かったわけではないので、オールスターがS班での初優勝、念願のタイトルになっても不思議はない。

小川三士郎
「自己採点としては、2日目がピークだった」と、シリーズを冷静にジャッジした小川三士郎は、7月に3場所連続の完全優勝で特進。今シリーズがS級2場所目、初めてのG3だっただけに、2着は十分に評価できる。準決でも見せ場たっぷりで、9車立ての走りにも早々に順応していた。
「単調な7車立てより、9車立ての方が走りやすい。自分の余裕のあるペースはA級のペースなので、S級のペースに合わせてモガかないとっていうのは意識しました。(4日制で)3日間と違って疲労もありましたね。(最終日はまくりを打って)最後に伸びたのは追い風だったんで、自分の力じゃない。でも、昨日(準決)の反省は生かせた」

山崎歩夢
次回にG1のオールスターを控えていた山崎歩夢は、今シリーズで初めての9車立てを経験。S級初場所となった5月の川崎決勝で、落車の憂き目。完調ではない復帰2場所目ながら、三度の突っ張り先行で大器を感じさせるには十分な内容だった。
「日に日に9車立てのやり方が、少しずつわかってきた。今日(最終日)は落ち着いて走れた。4日間のなかでは、一番良かったです。ただ、組み立て方も全然できていないし甘かった。オールスターでは少しでも改善できるように。(オールスターの前に9車立てを)1回でも走らせてもらえたのは良かった。あとは体調とメンタルをしっかりと整えていきたい。(父の芳仁と)一緒に走るには、僕がもっと強くならないと。けど、一緒の開催でこうやって出られるのはありがたいですね」

岸田剛
G3では二次予選が壁となっていた岸田剛は、昨年7月の地元、福井記念以来の準決進出。1つの壁を乗り越えると、準決では先行策で犬伏湧也を退けて、ラインの村上博幸とワンツーで初めての優出を果たした。
「久しぶりの(G3の)準決だったんですけど、一発目で決勝に乗れるとは思っていなかった。逃げてワンツーを決められたのは、良かったです。連日、長い距離を行ってたので、(準決では)それが修正できた。準決はうまくいったけど、決勝では犬伏さんにカマされて、あの位置(番手)に入れたけど詰まらなかった」

松本京太
今期ステージを上げた松本京太は、S級初勝利こそお預けも4走でバックを2回取って、2着が2回。まだまだ課題が山積もラインに貢献する積極性でアピールして、少しずつではあるが手ごたえを感じている。
「S級に上がってすぐの小松島記念の時は、すぐに(A級に)落ちちゃうなっていう気がした。けど、いまはS級点を確保して、S級に残りたいっていう気持ちが出てきました。半年後はA級なんですけど、今期は点数を取れるように。自分は踏み出しの能力が低くて、相手に合わせて踏んだりする能力が足りない。それで(前のラインとの)車間が空いてしまったり、対応力を上げていかないと。そういうところを上げていければと思っています」