ピックアップ GⅢ 別府 10/16
熊谷芽緯
今シリーズの熊谷芽緯は2日目と最終日に持ち味を発揮して2連対を果たしたものの、準決勝は経験不足が露呈してしまい、力を出し切れず後方で不発に終わってしまった。
「2日目と最終日はいい走りができたと思うんですけど、初日と3日目は反省点が残るレースでした。スタートも迷ってしまいましたし、那須(萌美)さんにフタをされたところもすぐに引いてカマシにいければ良かった。でも今回はいいメンバーのなかで走らせてもらっていろいろと勉強になりました」
今年はオールガールズクラシック、女子オールスター競輪と2つのG1に参加したが、年末の大一番『競輪祭女子王座戦』の出場権を獲得することはできなかった。しっかりと現状の課題を見つめ、気持ちは前に向いている。
「今年は選考期間中に1回しか優勝できなかったので、競輪祭に出られなくて悔しいんですけど。だんだんと持久力はついてきていると思うんですけど、ペース配分だったり、うまく回せる感覚を身につけていければ。そうすれば最後(ゴール前)も踏み直せて、もっと結果もついてくると思うので。今年は競輪祭に出られないですけど、来年は出られるように。自分らしいレースで結果も出していけるように」
伊藤成紀
9月函館で9連勝を達成した伊藤成紀が2年9カ月ぶりにS級へとカムバック。S級復帰3場所目となる今シリーズはまくりと捌きからの強襲劇で2勝を挙げて存在感をアピール。久しぶりの9車立てのレースであったが違和感は感じていなそうで、次走の小田原記念でも走りに注目したい。
「自分としては9車の方がありがたい。7車立ては如実に脚力差がでてしまうので。9車立てなら自分でレースをコントロールしながら、なんとかこっちの土俵に引き込めるので。(S級に復帰して戦える手ごたえは)ある程度ありますね。時間はかかりましたけど、腐らずに地道にやっていましたし、練習量的にもいまは自信をもって言えるぐらいやっているので。セッティングもかみ合ってきましたね。(次走の小田原記念で)上位陣と当走れるので、どれだけやれるかは楽しみですね。4日間、ラインの先頭で戦うには体力的に厳しいかもしれないですけど、どれだけ通用するかためしたい」
長谷部龍一
今期から1年ぶりにS級に戻ってきた長谷部龍一はシリーズ3勝の固め打ち。3日目、4日目は番手回りでの白星であったが、初日は地元の阿部将大を鋭いまくりでのみ込んでいる。
「前回S級だったときは全然ダメで、今期からS級に戻ってきてからはなんでもできるようにと思って戦っています。今まで練習で10秒台が出せることはなかったんですけど、最近はだいたい10秒台を出せるようになっているので底上げはできていると思います。でも2日目みたいな詰めの甘さが点数が上がらない原因だと思うので、そういうところをなくしていければ。番手を回ったときももっとできることを増やしていきたいですね」
武田豊樹
今シリーズの武田豊樹は惜しくも準決勝で敗れたものの、シリーズ2勝を含めて3連対と存在感を示した。今年に入ってから新たな試みとして「常に戦いの場に身を置きながら、いかにコンディションを作っていくか」をテーマに掲げている。衰えるどころか若い頃よりも強くなった精神力を武器に奮闘している。
「今年はこれで90走目ですから。今シリーズは2勝できましたけど、ちょっと体は重かったですね。でも今年の前半はしっかり計画的に練習しながらコンディショニングをしていましたけど、それで結果がでなかったので。だったら変えないとって思って。精神的にはきついですけど。常にプッシャーと緊張感のなかで戦っていくのは。でも選手を目指した頃から走って賞金を稼ぎたいと思って戦ってきましたし。いまは特別競輪の常連でもないですけど、ステージが変わってもその気持ちは変わらないので。いまの気持ちが若くて強かった頃にあれば、もっと成績は良かったと思いますね。あの頃の自分は今より気持ちが弱かったと思います。こういう位置まで下がってみて改めてその辺は思いますね」