ピックアップ GⅢ 小田原 11/13
SS班不在の混戦シリーズで、優勝をつかんだのは塚本大樹。番手まくりの宮本隼輔を差し切って、ワンチャンスをモノにした。デビュー16年でつかんだG3初優勝。勢いづく九州の流れに取り残されまいと、気持ちを改めて競輪に取り組んだ成果が現れた。
新村穣
昨年の当地記念決勝で、南関7車の先頭を走った新村穣ではあるが、今年は成績が急降下。ハードトレーニングに、身体が悲鳴をあげてしまった。それが、ここ最近は徐々に復調し、本来の先行力が戻ってきていた。現状を受け入れつつ、復調の先を見据えてこう語った。
「結局最終日は選抜戦を走ることになってしまったし、負け戦の勝ち上がりを惜しいところで逃してしまった。それに、車券に貢献できたのは最終日だけだったんで、お客様にも厳しい言葉をいただいた。体を壊してから、良くなる方法をずっと模索していたんですけど、ここ2、3カ月は方向性が見えてきた。すこしずつ元の状態には戻っていると思う。でも、体を壊す前と同じことをやっていても意味がない。みんなとの練習以外に、今は自分の練習の時間も増やしています。元に戻ったところで、記念の決勝で9着しか取っていないですし。G1で勝負できるところまで、自分の武器を以前よりも伸ばしていきたい」
半田誠
半田誠は、準決勝に進出してシリーズ3連対とプチブレイク。ただ、その連対の内訳は全てまくりと、自身が追い求めるレースはできなかった。準決勝は先行したものの8着。この経験を、今後の糧にしたい。
「甘い蜜を吸ってしまった気がする。まくりで結果が出たんで、それでも良いかなってどこかで思っちゃってるんでしょうね。(最終日は)ジャンのところで絶対に行けた。なのに悠長に構えてしまった。いつもなら踏み出せるところで、踏み出せなかった。先行しただけで満足してちゃだめだっていうのは先輩にも言われているけど、行けるタイミングで行かないと、上じゃ通用しない。準決の緊張感のあるところで先行できたのは成長につながったと思うし、勝ち上がれた経験を無駄にしないようにしたい」
菅原大也
菅原大也は、決勝3着だった先週の当地記念から、2週間連続で小田原に参戦。地元の4番手を固めた決勝戦の後には「今度は前を任せてもらえるように」と、決意を新たにしていた。今回は勝ち上がりこそ二次予選までだったが、積極性の増した仕掛けで、自分自身をアピールした。
「自力のコメントの重みをしっかり考えて走らないといけないと思った。デビューして徹底先行で始まって、ちょっと自力自在になって、番組次第ですけど、最近は自力とコメントするようになっていた。なのなかで、やっぱり前回が分岐点になった。自力と言うからには、その重みを考えて、責任を持って走らないといけない。来年は、もう一つ上のランクで走れることになるし、今の力じゃ太刀打ちできない。自力選手として、力を上げていきたい」
市田龍生都
史上5人目の早期卒業生として、市田龍生都は、大きな注目が集まるなかでG3デビューを果たした。ただ、初日はスタートで失敗し、番手を別線に奪われて8着で大敗。初めてのグレードレースは、ほろ苦いものとなってしまった。ただ、2日目からは本来のポテンシャルを発揮して3連勝。最終日は、課題のスタートを克服して前受けに成功し、突っ張り先行でライン決着だった。
「初日の反省を踏まえて、全部突っ張ろうと思ってました。宿舎で、内山(慧大)君とずっとスタートの練習をやっていたんです。初日が終わってからずっとやっていたし、それのおかげで今日(最終日)は出られた。突っ張るところは(早期追い抜きが)すごい怖かったし、あそこをもっと平然とやれるようにならないと。誘導との間合いの詰め方と、相手への合わせ方。まずそれができるようにならないと、先輩方に任せてもらえないと思う」