• 小倉競輪場 第67回朝日新聞社杯競輪祭・第3回競輪祭女子王座戦11/19〜11/24

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅠ 小倉 11/19

 ガールズケイリンではグランプリスラマーの佐藤水菜が、年間グランドスラムを達成。10月には世界選手権でケイリンを連覇した女王が、ガールズケイリンでも絶対的な力を披露した。一方の競輪祭は、誰もが驚く阿部拓真の初戴冠。3連単では504通りある組み合わせの最低人気で決着した。8月のオールスターから寺崎浩平、南修二(共同通信社杯)、嘉永泰斗(寬仁親王牌)とビッグ戦線での新たなスター誕生を引き継ぐように、ラストG1でも新タイトルホルダーが生まれた。今年は北井佑季のS班除外、平原康多の引退で、犬伏湧也、松浦悠士が加わり11人のS班経験者がいたが、そのなかで脇本雄太、古性優作、眞杉匠、郡司浩平の4人がS班の座を守った。残りの新S班5人でカムバック組は、吉田拓矢、一人。9人の中で唯一の40代、南が獲得賞金ランクで9番目に滑り込んだ。07年のG1デビューから近畿の一員として闘ってきた玄人好みの南は、追い込み選手不遇の時代にも対応。近畿“第四の男”が果たす役割は、これからさらに大きくなってくる。

山口拳矢

山口拳矢

 今年はビッグ優出のなかった山口拳矢だったが、10月の寬仁親王牌では3勝をマークし、今シリーズは3度の確定板。最終日にはロングまくりで別線を仕留めて浅井康太とワンツーと、来年のタイトル争いは必至だろう。

 「(最終日は)隊列が短くなったのがわかって、スピードが上がり切っていない時に行ってみようと。松浦さんのブロックを警戒していたけど、バックで先頭に出られて良かった。航続距離はこれ以上(長くするのは)無理ですね。でも、その分も戦法の幅を広げたい。今回は成績が良くなくて、(寬仁親王牌は)単騎の競走ばかりだった。G1でラインでしっかりやっていけたらって思います。(近況の好調は)体自体は問題なかったんですけど、(9月松阪F1から使っている)自転車がいいのができた。試しながらでしたけど、成績が良くなった。今年は後半戦から戦える手応えがあったので、これを忘れずに来年も頑張りたい」

佐々木豪

佐々木豪

 グランプリにはあと一歩届かなかった松本貴治だったが、敢然と先行策に打って出たファイナルは進化の証でもある。その同県の先輩に大いに刺激を受けている佐々木豪も、来年3月に三十路を迎える。

 「(今シリーズを振り返って)脚だったりタイムは悪くなかったですけど、上手に走ろうとして逆に失敗していました。脚はしっかりつくってきていたんで。松本(貴治)さんにはSSになってほしかったですね。自分は今年で30歳なので、30歳まで記念を獲るなりG1の決勝に乗りたいと思っている。今年はいっぱい練習をしてきたって、自信をもって言えるくらい頑張ってきた。けど、もっとレース流れだったり組み立てを精査していかないと。来年はレースをいっぱい走って、レースにフォーカスしてやっていきたい」

清水裕友

清水裕友

 昨年は6回目のグランプリ出場を果たした清水裕友だったが、2年間、守ってきたS班の座を明け渡すことが一次予選敗退で決まった。しかしながら、そこから吹っ切れたように清水らしい走りで、2度のバック奪取と攻める走りを見せた。

 「(最終日は)力勝負かなと思っていました。(坂井洋が早めに巻き返したので、展開的に)自分にはラッキーでした。攻める気持ちをもって、後半の3日間は走れているかなって思います。そういう気持ちをもって立て直していければ。ただ、ここ3走だけなんで、これを続けていかないと。着うんぬんじゃなくて、戻していければ、(高いレベルで)また戦えると思います」

鈴木竜士

鈴木竜士

 二次予選Bでは惜しくも3着で勝ち上がりを逃した鈴木竜士だったが、最終日は郡司浩平、北津留翼らを相手に関東勢の先頭を務めてラインで上位を独占。自力選手として勤しんできた1年を振り返った。

 「(最終日は)郡司さんも、北津留さんも脚力的には上の選手なので、自分はうまいこと立ち回らないとって思っていた。郡司さんは連日、すかさず仕掛けてきているので、そこを意識はしていた。自力選手として走っている以上は、最後ラインでゴール勝負に持ち込まなきゃいけないっていう責任感は常にあるかなって思っています。この1年、1レース、1レース攻めたレースができた。1つも結果が出てないので、そこはなんとも言えないというか…。でも、自分がしたい走りはできている。ただ、眞杉(匠)とか(吉田)拓矢とかと合宿をすると、圧倒的な脚力差を感じる。まだまだ上がっていかなきゃいけない部分は、たくさんあると思っています。来年しっかりG1で戦えるように、1走、1走、頑張るだけです」

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