総力戦で臨む浅井康

浅井康太
S級S班3名をはじめ、好メンバーがそろった今シリーズだが、高い総合力で浅井康太が優勝争いをリードする。今の浅井は原点回帰している印象。「自力でやってて楽しい」の言葉どおり、前で戦う番組なら積極的な仕掛けを見せている。今年は5月を終えた段階で優勝こそないが、浅井にとって大事なのは自分の体がどういう状態にあるかだけ。動きを見るかぎりいい状態にあることは明らかだ。昨年9月に当所で開催された共同通信社杯の優勝が記憶に新しい竹内雄作だが、全プロ記念で着とやや調子落ち。ここまでに「トップスピードがないし、後半タレる」と話す課題をどこまで克服できるかだろう。地元の北野武史は浅井、竹内と連係して上位進出を目指す。

武田豊樹 欠場
武田豊樹は今年ここまで順調にきている。2月全日本選抜から今年開催された全てのビッグレースで決勝に進出。ダービーでは初日特選、準決勝でも連対したように、自力での強さも戻ってきた。富山は56周年記念で優勝するなど得意とするバンク。今シリーズも期待できそうだ。木暮安由は5月松戸でフレームを試したが失敗。全プロ記念から元に戻して、本来の俊敏な走りが戻っている。牛山貴広はダービーで3連対、続く宇都宮記念でも2勝を挙げて優出と差し脚好調。武田、木暮とスジの目標が豊富なここもチャンスだ。

三谷竜生 欠場
ダービーを制してタイトルホルダーの仲間入りを果たした三谷竜生が次に狙うのは記念優勝だ。全プロ記念の初日に落車してしまったが、2日目も出走。「走ってるから体は問題ない」と負けん気の強さを見せた。今シリーズの近畿勢は三谷に村上義弘、山田久徳と自力を持った選手ばかり。山田はダービーで自力、番手と器用にこなして序盤は連勝。近畿勢はバリエーション豊富な連係を見せてくれそうだ。心配なのは村上の状態。練習中の怪我から5月函館記念で復帰したが、続く全プロ記念初日の落車で今度は肋骨を骨折した。ここまでにどれだけ立て直せているか。

郡司浩平
南関勢も郡司浩平、山中秀将に小原大樹と動ける選手がズラリ。郡司はダービーで落車した影響がまだありそうだが、ここまでには十分な時間がある。3月ウィナーズカップや4月川崎記念を制すなど抜群の勝負強さで、ここも南関勢をリードする。
もちろんスジの目標が豊富な和田健太郎にも記念初優勝のチャンスが。
山田英明の自在戦も争覇の一角を占める。2年前の当所記念決勝は先頭でゴールしたが内抜きで無念の失格。しかし、今年はダービーでG1初優出を飾るなど、その後も着実にステップアップしている。今年こそ悲願の記念初優勝を決めるか。
北日本勢は福島コンビが中心。5月は大垣、千葉とF1戦を連覇している成田和也は自慢の差し脚でどこまで優勝争いに加わってくるか。