村上義が束ねる近畿勢

村上義弘
各地区に強豪がそろい熾烈なV争い。どこからでも狙えそうだが、軸は近畿勢だろう。ラインの先陣を受け持つ古性優作は、強気の競走で結果を出していて評価はうなぎ登り。競輪祭では長い距離を踏み切れない弱点を突かれ、今年はビッグレースでの優参はなしに終わったものの、3月松阪に続き、10月熊本記念in久留米では着と今年記念2V目をものにしている。トリッキーな走りで好位置をキープし自力を出せれば、近畿勢を上位独占に導くはずだ。近畿の大将格はもちろん村上義弘だ。今年は練習中の落車負傷により、なかなか体調が整わず不本意な成績ながら3月玉野、7月小松島と記念2V。11月防府記念では落ち着いた走りで着とまとめている。競輪祭では準決で敗退し、8年連続でのグランプリ出場は叶わず。しかし、その現実の前にも闘志は衰えていない。徐々に良化してきているし、チャンピオンユニフォームを身にまとって臨む残り2戦は気力を振り絞って戦い抜く。

中川誠一郎
迎え撃つ九州勢は中川誠一郎の機動力に期待がかかる。中川は2月奈良記念で鎖骨を骨折。3月のウィナーズカップから復帰するも本来のスピードが影を潜めていたが、10月熊本記念in久留米では3連勝で決勝進出。ようやく好調時のようなスピートが甦ってきた。仕掛けがツボにはまった時のまくりはワールドクラスで、一発の魅力を秘めている。地元の大塚健一郎も今年は順調さを欠いた。本調子での参戦は難しいかもしれないが、そこは気力でカバーする。ダービー、高松宮記念杯と続けて優参するなど、前期は躍動感に溢れていた山田英明だが、後期は落車の影響で失速気味。そろそろ流れを変えたいところだ。
木暮安由の追加参戦で厚みを増した関東勢の動向からも目が離せない。木暮は競輪祭で1着と決勝進出。決勝は新田祐のパワーにねじ伏せられたが、平原康を連れての中団まくりで見せ場は作った。同じ自在型として、古性優らの好きにはさせない。天田裕輝は木暮と同乗なら、援護役に回るか。
山中秀将、中村浩士、松谷秀幸ら個性派ぞろいの南関勢の動向からも目が離せない。山中は競輪祭で初のG1決勝に進出。新田に真っ向勝負を演じて2着に入った準決は特に大きな収穫となった。松谷も競輪祭で評価を高めた一人で、準決は平原康、浅井康でモツれた前団を一気に叩いてあわやの4着だった。目標に事欠かない中村にもチャンスのシリーズだ。
差し脚切れている佐藤慎太郎が中心の北勢や、竹内雄作、坂口晃輔らの中部勢も一発を秘めている。

浅井康太 欠場