若手自力型によるV争い

久田裕也
優勝候補は5指に余る大混戦のV争い。狙いは絞りにくいが、最近は自力攻撃に迫力を増している感がある久田裕也を中心視した。5月函館で今年の初Vを飾ると、6月富山G3では2着と3連対。7月青森は着とオール連対の準Vと、最近の調子も良好だ。直近4カ月の連対率は6割に迫る勢いで、連の軸に最適とみた。同県の原田研太朗はどう出るか。若い久田に前を任せるか、自力勝負するかはメンバー構成次第だろう。まくり一辺倒の競走なので、成績は安定していないが、仕掛けがツボにはまった時のまくりには素晴らしい破壊力がある。うまく流れに乗れれば、首位に躍り出てもおかしくない。

林大悟
戦力が整っている林大悟、岩谷拓磨、大坪功一、柳詰正宏の地元勢を重視する手もある。林と岩谷は5月岸和田で連係していて、林が3連勝を達成している。初日特選、決勝ともに先行した岩谷に乗った林が、きっちり勝機をものにした。だが、林は6月四日市G3の二次予選で落車し、以後は実戦に姿を見せておらず、体調には一抹の不安が残る。岩谷は師匠の冠レースなら燃える材料には事欠かない。最近は今ひとつ波に乗り切れていない感もあるが、6月熊本の初日特選では、東矢圭の逃げを差して勝っている。チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。大坪は林と同じく負傷欠場中も、柳詰は2月当所着、決勝は林慶の逃げを利してS級初Vを手にしている。地元勢がレースを掌握すれば連に浮上してこよう。瀬戸晋作、上野優太らが地元勢に加勢なら、更にラインの厚みが増す。

嵯峨昇喜郎
渡邉一成、佐藤一伸、須永優太の福島トリオに嵯峨昇喜郎と駒数多い北日本勢も好勝負が見込める。中でも嵯峨は復調著しく、ここに来て成績が急上昇。6月は福井1着、富山G3は2着、熊本1着、7月も京王閣G3で2勝、豊橋2着と連対ラッシュだ。富山の決勝は、福島トリオを確定板独占に導く逃走劇を演じていて、ここも動向が注目される。佐藤も出来はいい。今年はF1戦で2Vを飾っているし、富山G3は嵯峨の先行に乗っての番手まくりで準V。北日本勢が主導権を握れば、G3初Vを達成しても不思議ではない。
ラインの総合力では劣勢の近畿勢だが、非凡なスピードを活かした自力攻撃は威力抜群の岸田剛は侮れない。6月富山G3、同月久留米記念ではそれぞれ2連対を果たしている。先行基本の競走ながらまくりに回っても力を発揮できるので、タイミングよく仕掛けられれば一発怖い。
最近は成績が上昇カーブを描いている嶋津拓弥も目が離せない。5月高松で2年ぶりのVを手にすると、7月青森着の初日特選では久田の逃げを3番手から抜くなど、その後も安定した走りを披露している。好位置キープに成功すれば連対望める。
最近はF1戦で決勝を外す場所も目に付く谷口遼平だが、6月四日市G3では2着と気を吐いていて、やはり底力はある。