検車場レポート
荒井 崇博 佐賀 82期 |
打鐘手前から踏み込んだ渡邉雄太が主導権を握ると、8番手の柴崎淳がカマシ気味に襲い掛かる。内藤秀久のけん制を乗り越えた柴崎は最終2コーナー過ぎに逃げる渡邉をとらえるが、志智俊夫が内藤のブロックで連結を外す。脚を溜めていた中川誠一郎がさらにその上をまくる。スピードの違いで前団をのみ込んだ中川を荒井崇博がゴール寸前で交わして1着。94年に吉岡稔真(65期・引退)が叩き出したバンクレコードを荒井が、上がり10秒4で20年以上ぶりに塗り替えた。
「ウソでしょ(笑)」と、バンクレコードの一報に荒井自身も驚きを隠せない。
「(前々回の地元記念の)武雄の時に仕上げてきたけど、展開が悪くて出なかった。そのぶん、前回と今回で出ました。(ゴール後も中川を)抜いたかどうかわからなかった。前から(中川)誠一郎のまくり追い込みを抜くって言ってたんでよかった。俺と一緒の時は誠一郎はタイミングを逃さないね」
最終2コーナーからの鮮やかなまくりで別線を置き去りにした中川誠一郎も、笑顔で汗をぬぐう。
「自分が前を取った時(に考えてた作戦)の2パターンのひとつでしたね。(柴崎)淳が切ってこなかったんで、これはカマすんだろうと。それを見ながらでした。まだ朝だったんで仕上がりが甘かった。キレがいまひとつだった。それでも(スピードが)乗ってからはまずまずでした」
志智が離れて援護を失ったロングまくりの柴崎淳だったが、直線でも踏ん張って3着にこらえた。
「(中川が)強かった。行かれてしまった時はヤバいと思って必死に踏みました。(南関勢を)乗り越えるのに脚を使った。(脚の)感じはいいですね」