混戦模様も軸は中四国勢 ~高知ミッドナイト~

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高市訓但
安定感は抜群。久々に決めるか
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緒方将樹
惜敗続きも、今度こそ初V達成だ

 10月13日からの高知ミッドナイトは、上位の機動型が手薄で、Vの行方は混とんとしているが、高市訓但を本命に推す。詰めが甘い部分はあるものの、安定感の高さは特筆もので、今期は決勝を外していない。地元の田尾駿介、メンバー次第では船瀬惇平と目標にできる選手がいる好条件を最大限に生かしてVを奪いたい。米澤大輔も同じ。失格もあって8月、9月とまともに走れていないが、完調ならV争いに参戦だ。96年以来のA級戦となる古豪・石丸寛之はまだまだまくりの機動力が健在。メンバー次第で自力と追い込み勝負と使い分けていく形になりそう。9月防府で新鋭・松岡辰をまくり追い込みで逆転してV、直近の10月武雄では豪快にまくって準Vと自力でも有力なV候補だが、船瀬と同乗なら前を任せていくか。船瀬は末の粘りが一息だったが、脚を戻すべく先行勝負に徹し、怪我をする前の状態に戻りつつある。ここも主導権取りに迷いはない。田尾はまくりが主戦法で、今回のメンバーなら狙い澄ました一撃が決まる可能性は十分だろう。
 九州勢は、主力が追い込み、まくりの選手ばかりで、新人の阿部将大に懸かる期待が大きい。特班して2場所はともに準決敗退も、10月熊本記念で行なわれたルーキーシリーズプラスは九州連係で2着。同期と走って改めて気合が入った。1・2班戦にも慣れてこようし、ここから正規あっせんで走れるのもプラス材料だ。しっかり仕掛けてトップスピードの高さを生かし切れれば、ラインを上位に導くかも。

 高市は、14年から5年間S級で走った実績もある実力者。落車が多く、降級した昨年、今年の序盤は低迷したが、ここにきて復活ムードだ。今期は6場所全て優参し、準V3回、決勝3着が2回。優勝こそないものの、主役級の脚を取り戻した。“一時期よりは良くなったけど、2、3着が続いてるからね”。以前は多用していたまくり兼備のタテ脚はまだ全開といかぬが、手堅いレース運びは貫禄十分。9月武雄ミッドナイトの準決では久樹克を好リードから抜け出して4カ月ぶりの1着を取っている。連係実績ある田尾や、船瀬の番手なら、S級特進を決めた14年5月岸和田以来のV奪取もいける。

 チャレンジでは、緒方将樹が初Vを目指す。“決勝は意識し過ぎて。あとちょっとだけど、それが遠いです”。本格デビューして決勝3着が続いているが、逆にルーキーシリーズから一度しか確定板を外していない安定感は特筆もの。“ダッシュ力には自信があります”と養成所の能力評価でAを獲得した素質は非凡だ。“デビューして、難しいと感じてます。脚もないですね”と自己評価は辛口も、先行、まくりをバランス良く使い分けており、前々で自分でレースを動かしていくスタイルは確立されてきた。今回のメンバーなら機動力は一枚上で、“バックからのもがき方”という課題も克服して弾みとなるVを決めたい。
 対するは大平竜太郎に、地元の谷口幸司の四国勢。大平は決勝を外す場所があって不足の面はあるが、積極性では緒方より上だ。自分は勝てなくても、別線を完封して好走続く谷口のVに貢献する可能性は十分。

権田浩一記者

2020年10月12日 17時41分

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