伊藤旭が中心も強敵そろう ~佐世保ミッドナイト~

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伊藤旭
悪い流れは勝って断ち切る
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藤田周磨
好機に飛び出してV奪取だ

 3月22日からの佐世保ミッドナイトは東西の強豪が集まって大激戦。V候補は数多挙げられるが、伊藤旭、佐々木翔一の九州勢を中心したい。ここ3場所は決勝での連がらみがなく、7場所続けてオール連対を果たしたころに比べると今ひとつの印象もある伊藤だが、次代のスター候補の一人という評価は揺るがない。組み立てを修正して好スパートを決めれば強敵をねじ伏せられる。佐々木も好目標を得たここはチャンスだ。降級後は流れに乗れていない感じも、まくり兼備のタテ脚を持つだけに、ここで結果を出して波に乗りたい。
 動きがいい関根健太郎も侮れない。来期のS級復帰は決まっているし、今年もまだ優勝こそないものの、準V3回で決勝で確定板を外したのは1回しかない。仕掛けも早くなっていて、とにかく好気合が目立つだけに、望月裕一郎の援護で別線完封の走りが見られるかも。
 来期はまたS級で走る日野博幸や復調なった磯島成介もVの有力選手だが、誰より注目したいのは佐藤礼文だ。勝つために何でもありな走りが災いして失格を連発。チャレンジ戦の卒業に時間を要したが、やはり持っている能力は非凡だった。昨年末のレインボーで特班すると、2月川崎で1・2班戦初V。その後は同月取手、3月西武園と破竹の3連覇を達成している。西武園の直後に今期2度目の落車を喫したのは気掛かりだが、完調なら本命視してもいい。機敏な立ち回りから好位確保してのまくりでVをゲットか。

 伊藤は、次代の競輪界を担うようなスター候補がズラリとそろう熊本軍団の一員。9月にチャレンジを卒業すると、1・2班戦でも5V。自転車の名門校出身のエリートはここまで順調にキャリアを詰み上げていっている。
「脚質はダッシュタイプなので、そこを生かした走りをしていきます。普段は同期の松岡辰泰さんや松本秀之介、瓜生崇智さんら若手を中心にバンクで練習しています。練習の質が良くて、1本1本しっかり出し切れている」。ただ、今年に入ってからの優勝が1回だけなのはやや物足りない。“小さなレースが多いので、内容重視でいきたい”。持っているスピードはA級レベルではないので、仕掛け遅れることなく、タイミングを逃さずに飛び出す納得の競走で結果を出して弾みを付けたい。

 チャレンジは、機動力一番の藤田周磨が今年2V目ゲットに一直線だ。デビュー直後に立て続けに落車に見舞われる試練はあったが、引きずる事なく成績をまとめている。レース運びも新人らしく非常に積極的で、大半のレースで先行して勝負をしている。来期には2班に昇班するし、今期も2月広島では後続を豪快に千切るカマシで優勝するなど順当に力を発揮。「全体的にレベルアップしていきたいし、7月に1・2班戦に上がるので点数もしっかり取れるように。どちらかと言えば持ち味はダッシュ。足りない部分も得意な部分もどっちも練習でやっている」。決して現状には満足していないが、今回の相手なら、ダッシュ、スピードの違いで一気に主導権を握ってそのまま押し切ろう。

権田浩一記者

2021年3月22日 13時54分

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