脇本雄太が初日特選を圧勝 ~向日町競輪場~

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脇本雄太
2日目の二次予選こそラインでの決着を
まくりで大人の対応

 9月2日に向日町競輪場で始まった開設71周年記念「平安賞(G3)」は初日が行われ、脇本雄太(福井・94期・SS)がまくりで初日特選を制した。
 「(眞杉匠が)ヤル気満々なのはわかってました。普段なら僕も(眞杉のヤル気に)付き合うところだけど、ライン4車で決めなきゃっていうのもあって弱気でした」
 5月のダービーでG1初優出を果たし、五輪に集中していた脇本が不在の間にメキメキと力をつけてきた眞杉が相手。主導権取りに迷いのない眞杉との先行バトルが見られるかとも思われたが、脇本は“大人”のレースで対応。しっかりと結果につなげた。
 「後ろが競りになってたのもわかってた。そこは申し訳ない気持ちでいっぱいでした」
 地元3車を背負った脇本。向日町記念の重みとその責任はわかっている。だからこそ、番手を回った稲垣裕之を松浦悠士と併走させてしまったことを悔やんだ。
 「(仕掛けを)待っても良かったけど、ラインで決めようと思って行きました。(オールスターのあとにオフがあって)休んだんで気持ちの部分でリフレッシュしてるけど、体が追いついていかない。今日(初日)のバンクコンディションが難しかったし、かなり重く感じた。自転車に乗って修正したいです」
 圧巻のパフォーマンスで勝ち切ったが、ラインでの上位独占とはいかなかった。それだけに脇本も手放しで、好発進を喜ぶわけにはいかない。東京五輪から中ゼロだったオールスターで力を振り絞り、古性優作をタイトルホルダーに導いた。その後はナショナルチームでの休養期間を経て、トレーニングを再始動、今シリーズを迎えた。“ラインで決めたいっていうのは、常に絶対にある”と、ラインでの競輪にこだわりをもってきた脇本は、二次予選ですっきりと3車のラインで決めたい。番手に地元の村上義弘、同期の藤田勝也が3番手を固める2日目の12レース。モノの違いは明らかだけに、そのエンジンをどこで点火させるかが大きなカギとなる。

竹内祥郎記者

2021年9月2日 20時29分

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