【コラム】吉田敏洋の見据える先 ~青森競輪場~

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吉田敏洋
練習仲間の若手をリードして共に勝ち進む
培ってきた経験を後輩に受け継ぐ

 9月24日(金)に2日目を迎える青森競輪開設71周年みちのく記念競輪『善知鳥杯争奪戦』。初日特選で元同県の深谷知広(静岡・96期)とガチンコ勝負を披露した吉田敏洋(愛知・85期)が元気いっぱいだ。競輪のセオリーで言えば、〝一番強い深谷を後方に〟と考えるのが普通であるが、深谷と何度も連係してきた吉田のロジックは全く違った。
 
 「深谷を相手に前を取ったことはもちろんリスクがありますし、普通の人のセオリーで言えば深谷に前を取らせて後ろから動くのが正解かもしれない。でも逆に言えば深谷は前受けからのレースが得意ですからね。相手に得意な戦法を取らせるのも違うかなって。わざわざ相手の土俵に上がって戦う必要があるのかなって考えたので前から組み立てました。十中八九、敵わない相手かもしれないですけど、自分のやりたいレースはできたので悪くないですね。もちろん、深谷はさすがの強さでしたけど。あの3コーナーからの強烈な踏み直し。連係して味方の時にも嫌というほど味わってきましたからね。簡単にはまくらせてくれないですよね。やっぱり見ている方はこうやって(移籍した)深谷と別線で戦うのを期待して見ていたでしょうけど、自分としては意外と冷静に走れましたね」

 二次予選の8レースでは売り出し中の藤井侑吾(愛知・115期)と初連係。経験豊富な吉田がどのように手綱を握るのか注目したい。
 「藤井君は深谷とはまた違ったタイプ。深谷はずっとエリートでやってきたけど、藤井君は本当に叩き上げ。よくここまで強くなったなって感じますね。連係は初めてですけど、練習は一緒にやっているので。今、練習なら名古屋で一番強いですよ。本当に。一緒に走るのが楽しみですよね。藤井君はまだ9車立ての経験が少ないですけど、競輪祭の権利を取ったから一緒に特別競輪にも出るわけですからね。今から少しでも強い選手と戦って、いっぱいしびれるレースをして肌で感じて吸収してもらいたい。だから多少のプレッシャーはかけますよ、もちろん(笑)でもそうやって経験して強くなっていってほしいですから。やっぱり強くなるのに近道はないと思っているので」

 デビューから22年目を迎えた今でも衰えることのない闘志で漢字の〝競輪〟を貫く吉田敏洋。伸び盛りの後輩に気合を注入して別線を迎え撃つ。

細川和輝記者

2021年9月23日 18時43分

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