成田和也が胸中を語る ~大宮競輪~

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成田和也
鋭脚を発揮して人気に応える
「これまでの積み重ねがあの位置」

 大宮競輪F1が12月5日(月)から開幕。豪華メンバーが揃ったが、なかでもひときわ存在感を放っているのが成田和也(福島・88期)だ。グランプリ出場をかけて、賞金ランキング11位で挑んだ競輪祭は、繰り上がりのツキも生かして決勝進出。北日本からは4人が勝ち上がり、その並びが注目された。賞金でのグランプリ出場の可能性もあった成田が出した答えは「北日本の4番手」だった。

 グランプリ出場へは、決勝2着が絶対条件だった。ここでわがままを言ったって良い場面だろう。だが、成田の中では、そうじゃない。
 「自分が賞金ランキングであの位置にいられたのは、これまで前の選手が頑張ってくれたことの積み重ねだと思う。それがあって、自分はあそこにいた。だから、自分の中では4番手を回ることが自然でした。もし番手の位置を上げたいなら、自分の力を付ければいいんですから」
 ラインを重んじる成田が言えば、4番手を固めることは自然に思えてしまう。だが、並大抵にできる決断ではない。初タイトルを手にした新山響平の話になると少し頬が緩んだが、自身のレースに話が及ぶと、すぐにまた勝負師の顔に戻った。
 「新山君にも、何回も前でやってもらっているし、彼が巡ってきたチャンスをものにしてくれて良かった。でも自分は終わってみれば、悔しいレースでした。外々を回され続ける激しいレースでしたけど、力があればしっかり追走できた。自分の力不足でゴール前勝負できなかったことが悔しかった」
 今年のリベンジは、また来年。いや、もう反撃は今場所から始まっている。
 「シリーズを通して良い緊張感の中で走れました。グランプリ争いができるってことは、選手として恵まれていますよね。ここからはまた来年に向けてです。明日(初日)からまたやっていきます」
 初日特選は奇しくも北日本勢がまた4車ラインを結成した。F1戦とは言え、ここでその番手を回ることもまた、成田がやってきたことの積み重ねだろう。

熊谷洋祐記者

2022年12月4日 17時00分

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