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2020年5月16日 12時13分

「¥JOY×プロスポーツ記者が選ぶ」極上バトル⑦ ~第62回オールスター競輪・決勝戦~

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菅田壱道
同地区の先輩をグランプリに導いた
勝負駆けだった男の選択

 競輪を予想する上で欠かせない要素の一つに"二段駆け"がある。私が心を動かされた二段駆けのレースを一つ紹介したい。
 昨年8月18日に名古屋競輪場で行われた第62回オールスター競輪の決勝戦。北日本勢は絶対エースの新田祐大(福島・90期)を始め、渡邉一成(福島・88期)、佐藤慎太郎(福島・78期)の福島勢3名と、菅田壱道(宮城・91期)の総勢4名が決勝に名を連ねた。並びは菅田-新田-渡邉-佐藤の順。典型的な二段掛けの並びだ。ただ、この時ラインの先頭を志願した菅田にドラマがあった。
 その前年(2018年)の菅田はGIで2度の決勝進出。最終的な賞金ランキング14位で、悲願のグランプリ出場をあと一歩で逃していた。今年こその気持ちで挑んだ2019年だったが、菅田は失格や違反点の影響で10、11月の斡旋が止まってしまうことが決まっていた。その年のダービー決勝3着で賞金でのグランプリ争いの渦中にいたのに、11月の競輪祭に出場できない。オールスターはいわば勝負駆けだった。それを分かっていて菅田は先頭を志願したのだ。
 レースは、前受けの菅田が南関勢の上昇を許さずに赤板から突っ張り先行に出る。北日本勢後位で脚を溜めていた平原康多(87期)が最終2角からまくるが、合わせて新田が番手まくりを打つ。平原を合わせ切った新田がオールスターを制し、2着に佐藤が食い込んだ。結果的にこの2人はこのレースでグランプリへの出場権を手にし、佐藤はこの年のグランプリを優勝することになる。
 後日、菅田に相当な葛藤があったんじゃないですかと、聞いたことがある。菅田は「結果的に2人の先輩がグランプリを決めてくれて素直に嬉しかった。たしかに自分はグランプリには出られなかったけど、あのオールスターが最後の競輪じゃない。最後のグランプリでもない。自分の選手生活もあの1年で終わりじゃない。これからもずっと続いていく」と語っていた。私はその言葉を聞いて、これから続いていく菅田の競輪物語を見届けたいと強く思った。

レース詳細
https://www.yen-joy.net/kaisai/race/result/detail?b=42&s=20190814&ym=201908&d=20190818&r=11

レース動画(後閑信一さんの解説付き)→https://www.youtube.com/watch?v=8RRkdbWiJhw

熊谷洋祐 記者

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