S級で名を売った地元の佐伯亮輔 ~玉野ミッドナイト~

photo-16481
佐伯亮輔
自慢の先行力で別線を完封だ
photo-16482
松本秀之介
連続完全Vを目指すエリート

 中四国勢によるシリーズとなった7月17日初日の玉野ミッドナイトは、メンバーの大幅入れ替わりも経て降級者がずらりとそろった地元岡山勢が圧倒的戦力でV争いをリードする。軸になるのは佐伯亮輔だろう。S級でも通用した先行力の持ち主で、降級初戦の7月久留米は116着と好スタートを切った。ここもラインの先頭を任されれば別線勢を出させぬパワー駆けで押し切りが有力。ラインを固める追い込み勢も、降級初戦の7月別府を準Vと好スタートを切った連佛康浩をはじめ、高橋清太郎、櫻井太士とS降りの選手が多く、超豪華な布陣。また、佐伯以外の機動型にも期待の好脚がそろう。城戸俊潔は落車明けで不安も残るが、売り出し中のスピードスターだし、チャレンジ上がりの野上竜太や田上晃也のスケールの大きい走りも楽しみだ。、
 別線勢では田尾駿介。前記の7月別府の準決をまくり快勝するなど動きは軽快だ。しっかりしたラインが出来上がれば地元勢に立ち向かえる。

 佐伯は、前期が初のS級だったが、初戦の1月立川記念でいきなり2連対を果たす活躍で波に乗った。以後もデビュー以来の徹底先行で戦ってコンスタントに連対し、6月当所のFIシリーズでは決勝に進出する大健闘で大いに名前を売ってせた。もちろん、A級では常に人気を背負うことになりそう。初戦の7月久留米は116着で未だ果たしていない1・2班戦初優勝は成らなかったものの、“やる事は一つなんで”と、絶好調の橋本瑠らを出させず逃げ切り連勝と上々のスタートを切っている。
 「前期S級はいい勉強になったし、モチベーションも上がっています。今、養成所に入っている弟子の存在も励みになっています」
 アマ時代には1㎞TTで輝かしい成績を残した高い素質が開花。今回は地元勢はとにかく数がそろっていて連係の形は流動的だが、主役を譲る気はなかろう。しっかり1・2班戦初Vを決める。

 チャレンジ戦は、117期4人と、地元の高井流星のV争いとなりそう。一番注目を集めるのは松本だろう。都道府県対抗のケイリン、全国選抜の1㎞TTで優勝の実績を持ち、養成所では24勝を挙げて3位、能力評価でもオールAを獲得したエリートだ。本格デビュー戦となった7月小倉ミッドナイトでは完全優勝。“落ち着いて走れた。先行できればいいけど、こだわってないです。踏み合って主導権争いになるなら、勝てるところから仕掛けます”と3日間まくりになったが、準決では上がり10秒9の必殺まくりで圧勝、決勝は三宅旬との同着ながら、逃げた高井を6番手まくりでねじ伏せた。地脚タイプで踏み出してからの加速力は抜群。“(小倉の決勝は)2日間に比べたら、車の出もいまいちでした。次はもっとスパッと勝てるようにしたい”。誘導員早期追い抜きが響いてチャレンジ降格となったが、本来はS級も狙える機動型である高井、本格デビュー戦の7月武雄ミッドナイトを112着と好走した同県同期の兼本将太らを返り討ちにして一気に特別昇班に王手を懸けるか。

権田浩一記者

2020年7月16日 19時06分

開催情報

ページトップへ