奥井迪 選手 スポット・インタビュー

その声を力に

奥井迪
奥井迪

 何度でも、何度でも、何度でも、立ち上がり…。
 「3日間バックを取ってって、それが自分の目標としてきたレース。それをやった結果だし、受け止めるしかない」
 また跳ね返された。6月のパールカップは、奥井迪らしい走りで3日間すべて最終バックを取った。が、タイトルにはあと一歩、及ばずの準V。奥井は天を仰いだ。
 「発走前から声援がすごかった。お客さんには感謝しかないですね。地元でもないのに、こんなに応援してもらえるなんて。そのお客さんたちに1着を届けられなくて悔しい」
 東西に分かれての初日予選、準決。勝ち上がりで直接、顔を合わせることがなかったものの、パールカップ連覇が有力視されていた児玉碧衣がまさかの準決敗退。西日本の機動型同士がつぶし合って、ファイナルは俄然、奥井に有利なメンバー構成になった。
 6番手でレースを進めた決勝の奥井は、打鐘を過ぎてその時をうかがう。先頭の山原さくらはまだペースを上げずにいたが、奥井が2センターからスパート。結果的にはもっと引きつけて、仕掛けを遅らせても良かったのかもしれない。ただ、それを奥井自身が許さなかった。あくまで自分のスタイルを貫いての大願成就。そのこだわりがあるからこそ、奥井には多くの熱烈なファンがつく。
 「いろんなものが整っていたのに、私の脚力が足りなかった。そこ(優勝)だけを狙っていたんで」
 後位が転がり込んで、奥井マークに徹した石井貴子が、わずかに出たところがゴールだった。
 「まだまだ頑張れってことですね」
 こう自分に言い聞かせた奥井。ファンの声を力にして、何度でも。

2024年06月17日 更新