• 小田原競輪場開設76周年記念北条早雲杯争奪戦11/6〜11/9

後記 GⅢ 小田原 11/06

番手まくりで地元V

松井宏佑

松井宏佑

決勝優勝写真
決勝優勝写真
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 初日特選は、S級S班の郡司浩平が志願の前回り。幾度と連係を重ねてきた松井宏佑だったが、郡司の後ろはこの時が初めてだった。結果的には不発に終わったものの、郡司の背中を見て感じるものがあった松井は、二次予選、準決ではラインの先頭で内容の濃い走りを見せた。
 「今回は地元記念で気合が入っていたけど、カラまわりせずに、連日、自分らしいレースができた」
 郡司に触発された松井が、初日特選に次いで2度目の番手。初日の伏線を回収するように、松井が重責を果たした。
 「任せてくれってことで、(郡司に)すべて任せていました。中野(慎詞)君を突っ張って、そこから踏みやめることなくどんどん加速していった。ほかのラインも来づらいだろうなって。自分はほかのラインを見て、行けるところで行こうと」
 1番車の郡司がスタートを制して、4車で結束した地元勢が前団に構える。上昇した中野を阻んで、郡司は突っ張り先行で主導権を渡さない。赤板手前から仕掛けた杉浦侑吾が迫る前に、郡司がさらに踏み上げる。勝負の流れは、完全に地元勢が支配した。中野にさばかれた杉浦が後退すると、自力に転じた鈴木玄人が襲い掛かる。地元4番手の菅原大也の横まで鈴木が来たところで、松井が番手から出た。
 「(雨で)視界も良くなかった。後ろに2人いるんで、のみ込まれる前に早めですけど仕掛けました。神奈川で確定板を独占できて、最高の形で決められた。めちゃくちゃ緊張したんで、ホッとしました」
 郡司の頑張りに応える番手まくりは、後ろの2人を引き連れた責任の踏み出しでもあった。
 「自分は後ろが慣れてないので、ずっとソワソワしていた。まずは(郡司に)ちぎれないように。後ろの2人に迷惑を掛けないようにと思っていた。今日はいい仕掛けができたんで、今後につながると思います」
 今年2度目のG3制覇で賞金を加算。ラストG1となる次の競輪祭では、様々な条件が付くにしろ、準Vでもグランプリ出場がかなう大きな意味を持つ地元記念Vだ。
 「(今シリーズは)2回、郡司さんの後ろを回らせていただいた。これからも前後があると思うけど。僕が前でも、郡司さん以上の走りができるように。(グランプリ出場は)全然、あきらめてない。でも、グランプリ、グランプリって考えすぎずに、自分らしい走りを心がけていきたい」
 グランプリ、今年の舞台はホームバンクの平塚。それだけにこの4日間の経験で大きく成長した松井に、さらなる期待を膨らませたい。

 番手まくりに続いた和田真久留は、松井と4分の3車輪差。直線勝負をこう振り返った。
 「(郡司は)SSですし、中野君が踏みやめないなら(出させて)3番手から勝負するっていうのもあったと思う。けど、中野君が早めに踏みやめたので、ああいうレースになったのかなと。鈴木君がまくってきて、(最終)2コーナーでその気配を感じて、(菅原)大也の気配が消えた感じがした。後ろを確認する余裕はなかった。それで僕は(鈴木に)抜かれないようにと。早めに抜きに行って、僕と(松井)宏佑で踏み合っている間を鈴木君に割られるのだけは避けたかった」

 真横に鈴木が迫った菅原大也は、最終3コーナーで踏み勝ち3着を確保。中2日で次回も小田原G3が待っている。
 「僕は前を信頼して付いていくことに必死でした。すごいスピードでした。(最終2コーナーで鈴木とからんだが)ラインを固めている以上、あそこは譲れない。なるべく早くケリをつけたくて、ヨコに動いた感じです。(郡司)浩平さんと、(鈴木)玄人君の間をすり抜けていく感じだった。けど、ピッタリ追走することに必死だった結果が、あの動きだった」

Race Playback

レース展開4
 松井宏佑選手が、郡司浩平選手マークから番手まくりを打ち優勝。和田真久留選手、菅原大也選手が流れ込み、地元勢が上位を独占。

レース経過

誘導員 : 近藤俊明

 号砲が鳴ると、最内枠の郡司浩平が飛び出して誘導員を追う。道中は、郡司-松井宏佑-和田真久留-菅原大也、山田久徳、杉浦侑吾-鈴木玄人、中野慎詞-橋本強の並び。 郡司が、中野の上昇に合わせて青板バック過ぎに突っ張る。突っ張られた中野は、6番手に下げる。すると、赤板手前で8番手になった杉浦が仕掛ける。6番手に追い上げた杉浦だったが、1センター付近で中野のけん制を受けてスピードが鈍る。郡司は、ホーム付近からペースを上げていき、先頭で打鐘を通過。外に浮いた杉浦が2センターで不発となり、最後方の鈴木が自ら仕掛ける。番手の松井は、鈴木の仕掛けを警戒し、最終1センターで番手発進。バックで3番手外まで迫った鈴木だが、菅原のけん制を受けて失速。2センターから和田が踏み込むも、松井が振り切って今年2度目の記念制覇。2着には和田。3着には菅原が続いた。

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