ピックアップ GⅢ 京王閣 07/26
寺沼将彦
寺沼将彦にとって、地元G3はほろ苦いものとなってしまった。初日は4コーナーを番手で回ってきたものの、直線で直線でいっぱいで予選敗退。敗者戦でも気持ちを切らさずに走って、最終日は白星締め。最終日にして、本来の進みを取り戻していた。
「連日の事もあったんで、絶対に1着を取ろうと思って早めに踏ませてもらいました。(最終日は)大幅にセッティングを変えました。いろんな人に話を聞きながらいじって、良い方向に行ったんで、次の開催もこのセッティングで行こうと思っています。不甲斐なかったし、お客さんからの野次もあった。でも、それは自分に期待して買ってもらってたからなんで。今度地元を走る時は、最低限勝ち上がれるように頑張りたいです」
町田太我
町田太我は、前回の岸和田からフレームを変えて好感触をつかんでいた。最終日は、別線に突っ張られたものの、豪快にまくり返して1着をゲット。先手を握れなかった時の、もろさが消えていた。
「あんなにまくりが出たのは初めてかもしれない。思いのほか進みました。セッティングは変えてないし、このまくりに関しては、自転車っていうよりも、乗り方が良かったからだと思います。準決が終わって、寺崎(浩平)さんに乗り方のアドバイスをもらったんです。お前は視点が動いてるから駄目なんだよって言われて。首の動きが良くないし、それだと上体が浮いちゃうって。言われた乗り方を意識したら、びっくりするぐらいまくりが出た。これで戦法の幅が広がりますね」
福元啓太
A級1、2班の優勝は、福元啓太。昨年のS級では結果が出せず、降級となった今年も苦しんでいた。それが、今節は3連勝での完全優勝。柔軟な組み立てが増えて、本来のポテンシャルを発揮できていた。
「今までは突っ張り先行にこだわりがあって、突っ張れなかった時にパニックになったり、気持ちの面で課題があった。今回は、まくりになったとしても、力を出し切ろうっていうのを目標にしていたんです。それが結果として出たのかな。一時期はどん底だったし、点数も80点台だった。セッティングとか、いろいろ試してたのが空回りしていて、結局消去法でこれしかないってセッティングに戻した感じです。またここからS級点を目指してやっていきます」
後藤大輝
後藤大輝の最終日の逃げ切りは、まさに圧巻の一言だった。打鐘で前に出ると、そのままどんどん加速して隊列を一本棒にしての逃げ切り勝ち。清水裕友や、新田祐大らの超一流を相手に、仕掛けるタイミングすら与えなかった。次に控えるオールスターへ、期待感は高まるばかりだ。
「(サマーナイトからの連戦で)正直、今日(最終日)が疲れのピークでした。でも、今後こういう機会は多くなるし、ちゃんと力を発揮して、良い印象を付けたかった。本当に自信になりますね。清水さんだけじゃなくて、新田さんはほぼS班と同じような存在ですし、その人達から主導権を握って逃げ切れた。嬉しいですね。オールスターまでに、できればどこかに出稽古とか、合宿に行きたいけど、ちょっと日程的に難しそうで、まだ決まっていない。でも、絶対万全にして、活躍できるようにしたいです」