• 京王閣競輪場GⅢ7/26〜7/28

後記 GⅢ 京王閣 07/26

ラインの力でつかんだホームV

鈴木竜士

鈴木竜士

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 ラインの先頭を務めた眞杉匠は、押しも押されもせぬ関東のエース。番手は今年のダービー王で、元同県の同期、吉田拓矢。関東の屋台骨を担う2人の力を借りてつかんだ、地元でのG3優勝。
 「いままでの優勝のなかで、一番うれしいです」
 クールな鈴木竜士が、素直に喜びの言葉を口にした。
 前受けの眞杉が、赤板過ぎに荒井崇博を突っ張ったのもつかの間、寺崎浩平がすぐさま巻き返す。打鐘で叩かれた眞杉が、再度最終ホーム手前で仕掛けるが、前には出切れない。眞杉の態勢が苦しくなると、吉田が自力に転じて2コーナーからまくり上げる。2センター過ぎにまくり切った吉田を、鈴木はガッチリとマーク。同期の両者がほぼ並んだところがゴールだったが、4分1輪差で、鈴木が交わしていた。
 「ラインにすごく恵まれたと思います。まず離れないようにっていうことだけでした。(ゴールの瞬間は)必死すぎて覚えてないんですけど、特に細かいことは考えてなくて、本当に迷惑を掛けないようにってことだけでした。前の2人のおかげです」
 6月福井で落車し、サマーナイトフェスティバルの3日目にも落車の憂き目。サマーナイトフェスティバルは4日間を走り切ったものの、そこから中3日。前検日に「体はボロボロ」と語ったのは、本音だろう。地元戦にかける思いと、ラインの力でつかんだ優勝だった。
 「自分の状態も状態なんで、優勝できるとは1ミリも思ってなかった。地元パワーですね。僕はなにもしてないし、2人の力だと思います」
 今年もグランプリ出場をほぼ確実なものとしている眞杉と、S班返り咲きを決めている吉田。繰り返しラインへの感謝を口にした鈴木だが、その両者の躍進を、ただ黙って追いかけるだけでは終われない。自分自身も、関東の力になることを誓った。
 「今年グランプリに出る2人に、おんぶにだっこだったんですけど、その中での優勝なんで、めちゃくちゃうれしいです。いまの競輪は先行力がないと勝てない。自在性だけじゃなくて、真っすぐ走る力も付けて、2人の前を引っ張れるようになりたい」
 最高の弾みを付けて、心強い仲間とともに、次回のオールスターに挑んでいく。

 眞杉の余力を見極めて自力を発動した吉田拓矢は、鈴木との同期ワンツーで2着。
 「眞杉があれだけ踏んで(寺崎に)出切られるんだからしょうがないですね。自分も友定(祐己)さんをさばき切れなかった。スピードが落ちて友定さんが復活してきてしまった。そこで脚を使いました。(最終2コーナー付近では)眞杉もキツそうだったし、(自分で)行くしかないなと。力は出し切った。(今後は)自信を持って眞杉の前を回れるようにならないと。このあとは(オールスターに向けて)眞杉と合宿をするので、しっかり仕上げたい」

 内藤宣彦は、関東勢の追走に専念。ハイスピードのレースに対応して、しぶとく3着に続いた。
 「初手で中団に(近畿勢に)入られることは想定していなかったけど、眞杉はなんでもできるので。(前がもつれていて)自分のところに下がってこられると嫌だったけど、そうならなかったので脚を使わずうまく追走できた。前が眞杉と吉田だったし、どんな展開でも安心感しかなかった。自分は恵まれたのもあるけど、しっかりレースになったし自信になった」

Race Playback

レース展開4
 自力に転じてまくり切った吉田拓矢選手を鈴木竜士選手が、ゴール寸前で差し切ってホームバンクで優勝。吉田選手が2着、3着に内藤宣彦選手。

レース経過

誘導員 : 菅谷隆司

 寺崎浩平も出るが、眞杉匠がスタートを取り切る。眞杉-吉田拓矢-鈴木竜士-内藤宣彦が前団。寺崎-三谷将太-友定祐己、後方に荒井崇博-小倉竜二で周回を重ねる。 荒井は青板2コーナーから上昇を始めて、前の眞杉に併せ込む。眞杉は誘導との車間を空けて、赤板過ぎに荒井を突っ張る。早めに引いて態勢を整えていた寺崎は、1センター過ぎからスパート。眞杉もペースを上げるが、打鐘過ぎに寺崎が叩いて主導権。友定は遅れ気味で、3番手に飛び付いた眞杉は最終ホーム手前から再度、踏み込む。しかしながら、眞杉は寺崎に合わせられて不発。吉田が、自力に転じて2コーナー手前からまくる。寺崎を4コーナー手前で吉田がとらえて、鈴木、内藤が続く。地元の鈴木がゴール前で吉田に並び、最後のハンドル投げで交わして優勝。2着に吉田、3着も内藤でラインで上位を独占。

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