ピックアップ GⅢ 青森 09/20
郡司浩平が今年6度目の記念制覇。オールスターの失格、共同通信社杯の一次予選敗退で、一旦途切れてしまった良い流れを、自らの力で引き寄せた。今年の獲得賞金額は1億円を突破し、グランプリ出場もほぼ当確。さらには年間最多勝も視野に入っている。年始に「勝ちにこだわる」と目標を掲げた郡司が、有言実行の成績を残している。

渡邉雄太
大スランプに陥っていた渡邉雄太だが、近況は1着が急激に増えて復調気配が漂っている。練習メニューの変化がきっかけとなったようで、本人の手応えも上々。完全復活まで、秒読み段階に入っている。
「今回は良い感じかなと思って入ったんですけど、初日の8着が良くなかった。移動疲れなのか、ちょっとローラーの感じが良くなくて。でも、それも日に日に抜けていったんで。30歳になっても、同じような練習をずっとやっていたんですけど、それが良くなくて調子を崩した。夏場になったし、室内だけで練習するようになったら良くなりました。今までは外でしか練習してなかったけど、ここ3カ月は室内練習しかしてないです。室内練習だと、自分のフォームをしっかり確認することができるし、開催に疲れも残らないようになった。あとは、また外での練習も取り入れて、レースの感覚も思い出していけたら」

小堀敢太
初めての記念開催に挑んだ小堀敢太は、準決勝まで勝ち上がる健闘ぶり。前回の名古屋F1から投入した新車の感触をたしかめつつ、上位陣とのレースに挑んだ。9車立ての流れにも取り残されない走りからは、レースセンスの高さを感じさせた。
「(最終日は)雰囲気的に絶対突っ張られる感じだったし、それなら後藤(大輝)君のところで勝負した方が利があると思った。(坂本)貴史さんと決めるならと思って1コーナー前に行ったけど、早かったかな。(松田治之の)ブロックが効きました。やっぱりA級とは違いますね。着はまとめられたし、9車は楽しいです。7車よりも流れがある。そこには対応できたと思うし、前回が駄目だったぶん良かったです。自転車は、新車を試していたけど、準決からは以前のものに戻しました。こっちのフレームの方が、まくりの展開だと流れてくれる。実は、新車は来年のヤンググランプリを見据えて作ったんです。けど、まだ特性をつかみ切れてないので、もう少し時間がかかるかな」

末木浩二
末木浩二は、夏場にブレイクしたものの、サマーナイトフェスティバル以降は急ブレーキ。弥彦記念の優勝で、通算200勝に王手をかけてから足踏みが続いてしまっている。最終日は、カマして別線を一蹴したが、最後の最後で番手に差された。
「(差されなければ200勝)あ、そうでしたね(笑)。吸い込まれる感じでカマしちゃって、出切った時に思ったよりもペースが上がっちゃってた。バックでいっぱいで、かなりタレたと思います。でも、ラインでワンツーなんで良かったです。状態自体は良くも悪くもないんですけど、課題が多い。自在選手として、ちゃんと戦法を使い分けられるようになりたい。自力の時は、先行しても勝ち切れないとだめですし、後輩の後ろを回る時はちゃんと付いていって援護できないとだめ。課題が多いです」

根田空史
根田空史は、引退した平原康多氏から譲り受けたフレームが見事にマッチ。「(踏み出しが)軽いし、流れる。不思議」と、最高の相棒を手に入れた。微妙な感覚のすり合わせも完了し、今後の大活躍に期待できそうだ。
「(フレームとの)タイミングも噛み合ってきましたね。共同の時は、先行してないからどうなのかなっていうのがあったけど、今回はカマシ、押さえ先行、突っ張りと、全部やれた。3日目は想定外の押さえ先行だったけど、それで粘れたし、3日目があったから今日(最終日)も自信を持って突っ張れましたね。2日目のまくりも、永澤(剛)さんの強烈なブロックがなければ行けてた。普通なら行けてたって和田(健太郎)さんにも言ってもらえたんで。親王杯は特選スタートなんで、そこに照準を合わせていきたい」