• 開設75周年記念 向日町記念in奈良9/25〜9/28

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 奈良 09/25

谷内健太

谷内健太

 8月末に3場所連続の完全VでA級を卒業した谷内健太は、特進一発目のS級デビュー戦が地元、向日町記念の平安賞。3月のルーキーチャンピオンで9車立てを一度経験しているものの、およそ1カ月ぶりの実戦が初めのグレードレース。重圧に押しつぶされて、自分を見失っても仕方ないシチュエーションだったが、一次予選から準決までの3走ですべて突っ張り先行を敢行。一、二次予選を逃げ切り、準決ではラインの山田久徳、稲川翔の2人の優出に貢献する大役を遂げた。

 「前の2人(京都勢)は、日ごろから一緒に練習をしている。僕はその2人を信頼して、自分のできることをまっとうするだけだなと。本当は(最後のコースは)外に行くのがベストだけど、(内の)あの判断しかできなかった。しっかりと勝ち上がった方が、谷内のこれからにつながると思いたい」とは、準決の稲川翔の言葉。谷内の将来を信じての優出でもあった。

 3日間連続の突っ張り先行である程度の手ごたえを感じた谷内だが、まだまだ経験が必要なのは言うまでもない。それをふまえながら谷内が、準決のあとに振り返った。

 「これからですね。しっかりと勉強ができたし、これじゃアカンなって思った。修正点をしっかりと改善できるように。相手の来かたとかペースをつかむのとかは、3日間、突っ張って収穫にはなった。でも、実力不足だし、自分はペーペーなんで(笑)」

窓場千加頼

窓場千加頼

 昨年の向日町記念決勝では、脇本雄太と別線の力勝負を演じて8分の1輪差の準V。今年こそはの思いもあったはずの窓場千加頼だったが、二次予選をシンガリ負けで敗退。続く3日目にも9着を取り、最終日こそ白星で締めたが、到底、納得のできる4日間ではなかった。

 「(最終日は)本当に良くないレースだったし、消極的でした。いまは苦しいですね。思い通りに動かないし、気持ちが弱い。レースに対しての精神的な部分がダメです。また一から始めるつもりで、まだ大きいのが2つ(寬仁親王牌、競輪祭)残っているし、その2つに向けてやっていきたい。いい時の状態を求めすぎると良くない。いい時で言えば、昨年のオールスターや向日町記念の時ぐらいだったけど、それを求めていくのか、それとも新しい自分を見つけるのか悩んでいる。練習で気持ちを強くしていきたいです」

町田太我

町田太我

 計画的に体重を10キロ以上増量した町田太我は、川崎、佐世保とF1連続Vで臨んだ今シリーズが、1着。準決以外は3走バックを取り、最終日は谷内健太を叩いて先行策。戦ってきたステージの違いと、粘り腰が目を引いた。

 「準決のキツいメンバーで走って、脚力消耗させられてすんなりいかないのはまだまだですね。でも、(体重を増やしたことによって)自転車が流れるようになって、スピードが乗るようになった。(現在90キロの)体重はもっと増やしたいんですけど、いまは壁になっている感じもあります。(いままで広島競輪場が改修で使えなくて)バンクができる前に肉体改造をしようって考えていたんで、それができたんでこれからです」

小森貴大

小森貴大

 前回の共同通信社杯でビッグ初優出を遂げた小森貴大は、シリーズを1着。久しぶりの自力戦となった3日目は、果敢に風を切って駆けた。福井ワンツー決着に渡辺十夢は、「(小森は)人の後ろでビッグの決勝に乗ったってみんな言うけど、ああやってみれば強いし、そこに相応しい脚力だった」と、後輩をねぎらった。小森自身はとどまることなくレベルアップを誓う。

 「最近、人の後ろに付かせてもらって、踏み方だったり、フォームは人それぞれあるけど。前回の寺崎(浩平)はすごさを感じた。あの(スピード)領域で後ろで仕事をするには、自分もあの領域に近づかないとっていうのがある。今日(の先行)は、今日で(終わりなんで)。一歩、一歩です。すべてにおいて上位では通用しないし、自力にしても自在にしても、すべてを上げていかないと」

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