実力互角で大混戦の優勝争い

柏野智典
どこからでも狙えそうな実力横一線のメンバー構成。狙いは絞りにくいが、競走得点最上位の柏野智典が連の軸に最適とみた。今期はF1戦で1V、準V4回、ダービーでは一次予選、二次予選を連勝して準決にコマを進めた。好展開が巡ってきた時はきっちりものにしているし、位置が悪くなっても、コースを探して突っ込んでくるレースが多い。町田太我が先陣を受け持ち、三宅達也が3番手を固めればラインも強固。その町田は、相変わらず先手が奪えないともろい面はあるものの、ダービーの2走目は根田空、菊池岳、福永大らを相手に上がり11秒1の好タイムで逃げ切り勝ち。主導権さえ握れば好勝負に持ち込める。また、久田裕也、久米康平の徳島コンビも見逃せない。勝ち上がり次第では中国勢との連係もあるし、別でやっても一発を秘める。

高久保雄介
動ける選手がそろった近畿勢を重視する手もある。高久保雄介、岡崎智哉、谷和也、岸田剛と機動型がズラリ。成績にはやや波がある高久保ながら、4月前橋の決勝では、谷の逃げを差して近畿コンビで連独占を決めている。なかなかVに手が届かずにいた谷だが、4月平では豪快なまくりでS級初Vをゲット。2着以下を6車身千切った。岸田はまだ優勝経験はないものの、4月福井、5月高松は連勝で決勝に乗っている。司令塔役に回りそうな岡崎も含め、近畿勢は幅広い組み立てが可能なので、好連係を決めて優勝を手にする場面は十分だろう。

村田祐樹
注目株は地元の村田祐樹。昨年11月に松阪G3で落車した後遺症があったのか、その後は一息不足の場所が続いていたが、ここに来て輝きを取り戻してきた。ダービーの一次予選では、高橋晋、鈴木竜らを相手に先行して2着に粘ると、5月青森全プロ記念は2日間とも逃げて着。初日は町田を沈黙させている。自慢のスピードが甦ってきたので、ホームバンクで大暴れが期待できる。岡本総、川口聖二らが村田に続き中部ラインを形成する。岡本は5月大垣の決勝で、谷の仕掛けに乗って準V。村田がレースを支配すれば連に浮上してきそうだ。
北日本勢も戦力は整っている。飯野祐太、佐藤一伸の福島コンビに新山将史、櫻井祐太郎。ラインの総合力なら1、2を争う陣容だ。中でも櫻井は先行力に磨きがかかった感がある。3月別府でS級初Vを飾ると、その後も4月川崎記念で2勝するなど連対ラッシュ。櫻井が先手を奪えば北日本勢から優勝者が出る可能性は大いにあろう。飯野は当所とは好相性で、22年にG3で優勝した実績がある。
九州では松本秀之介に魅力を感じる。5月平塚記念では1着と優参を果たすと、5月青森全プロ記念は初日に1勝をあげている。しっかりしたラインが形成されるようだと怖い。好調時の脚勢を取り戻した野田源一も得意のまくりでV争いに加わる。
関東勢は先行意欲高い橋本壮史がラインをけん引する。3月大垣G3で橋本は決勝に乗っており、今シリーズも結果を出すか。