纐纈洸が軸の中部勢

纐纈洸翔

栗山和樹
直近4カ月の競走得点最上位者が110点台の纐纈洸翔という稀に見る大混戦のシリーズだ。思わぬ伏兵の台頭があっても不思議ないし、V候補は十指に余るが、纐纈を筆頭に、栗山和樹、谷口遼平と機動型が充実している中部勢がV争いの中心勢力となりそう。暮れのヤンググランプリでナショナルチームメンバーの太田海、中野慎らを倒して頂点に立った纐纈がやはり本命には最も相応しいか。今年に入ってからは落車が続くなど順調とは言い難いものの、5月武雄G3では着。初日特選は突っ張り先行の北津留翼の番手に追い上げる形から勝っており、改めて自力基本に攻め幅の広さをアピールした。中部は機動型が充実しているのでそろって勝ち上がった場合の出方は流動的ながら軸になるのは纐纈だろう。注目度では栗山も負けていない。本格デビューから僅か7カ月となる2月にS級に特進した期待のホープ。S級でも順調に出世階段を駆け登っており、4月川崎記念では二次予選で浅井康も振り切る快速まくりを決めて準決進出、5月奈良ではS級初優勝を遂げた。ここまで唯一結果を出せなかったのが怪我明けで走った4月当所だったので、その分も中部の大砲としてラインを上位独占に導く。地元では谷口遼、柴崎俊光にV争いの期待が掛かる。谷口遼は纐纈に前を任せたこともあるように、ここも纐纈や栗山と同乗なら後位を回って結果追求の走りとなろう。

林大悟
中部勢を止めるなら、林大悟、嶋田誠也、柳詰正宏とそれぞれの役割がしっかりしている福岡勢だ。林は5月岸和田で完全優勝を果たしたばかり。初日特選、決勝は岩谷拓の番手を回っての結果だったが、準決は豪快にまくって嶋田とワンツーが決まっている。最終的に林が主導権を握る可能性は十分なだけに、嶋田、柳詰もガード役として気合が入る。ともに着はまとめているのでラインで上位独占は有望だ。
片岡迪之、上野雅彦、原田研太朗の機動型に、渡部哲男、木村隆弘、湊聖二ら中四国勢も戦力は整っている。中でも上野は川崎記念、5月平塚記念で準決に進出したのをはじめ連対数を増やしていてパワーアップ顕著だ。片岡も5月玉野では渡部とワンツーを決めて準Vと、前で駆けた今村麟の頑張りを無駄にしない走りを見せていた。もちろん、タテ攻撃の破壊力も健在なので怖い存在だろう。
3月当所G3で決勝に乗り、その後も5月奈良着など好走している中井俊亮、元砂勇雪の奈良コンビも近畿の自力型が勝ち上がってくれば出番。
4月高知記念では1着で準決に勝ち上がるなど山賀雅仁もまだまだ一発の魅力に陰りは見られない。河村雅章も山本勝利や堀江省吾との連係が叶えば。