快速誇る新田祐が主役

新田祐大
昨年の後期は4回の失格を喫し、今期は2班の新田祐大だが、グランドスラマーとしての輝きは失っていない。サマーナイトは着と確定板入り3回、8月はF1戦ながら平、岸和田と6連勝を達成している。ワールドクラスのスピードは相変わらずだし、立ち回りは俊敏で、立ち遅れる場面は少ない。ミッドナイトG3は2月小松島に参戦していて着。決勝は判断が難しい流れになって優勝は逃がしたものの、3日間連を外していない。今シリーズは快速を遺憾なく発揮して主役を演じる。同県の伏見俊昭が新田とタッグを組む。新田とは2月松戸で3日間連係していて着。準決、決勝と新田に食い下がり福島ワンツーを決めている。オールスターは2日目からの補充参戦ながら着と2連対。最近の伸びは申し分ないので、新田の仕掛け次第では逆転望める。

小原太樹
戦歴上位の小原太樹も有力な優勝候補のひとり。5月宇都宮記念で3つ目のG3Vを手にすると、7月佐世保では3連勝。ビッグレースではサマーナイトで準決にコマを進め、オールスターは最終日に1勝をあげている。ここは南関勢の上位陣は自力型が手薄なので、自力も視野に入れた総力戦とみたが、メンバー構成次第では吉田有希を目標もありそうだ。その吉田は、直近4カ月の決まり手は9割超が逃げ。相変わらず徹底先行で奮戦している。しばらくVから見離されているものの、オールスターの一次予選では、松本貴、村田祐らを相手に先行して3着に粘っている。妻の追加あっせんも好材料となりそう。

山田諒
坂口晃輔が地元Vに闘志を燃やす。G1で優参の実績はあるものの、まだG3のVには手が届いていない。いつも以上に気合を入れての参戦となろう。大怪我から立ち直り、最近は成績がまとまっていて、7月奈良、8月四日市と続けて準V。いずれも優勝した選手を好マークしている。チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。坂口が頼りにするのは山田諒だ。昨年は5Vを達成したのに対し、今年はまだVがないのは物足りないが、オールスターの最終日は、G1初勝利をゲットしている。自力自在の持ち味発揮なら好勝負に持ち込める。
中釜章成、東口善朋の近畿勢も差はない。長欠明け直後はあと一歩で勝ち上がれない場所が続いていた中釜ながら、ここに来て調子を上げてきた。7月名古屋着、同月京王閣G3は着、8月大宮着と3場所続けて決勝で確定板入り。トップスピード、加速力には素晴らしいものがあるので、一発の魅力を秘めている。東口も8月西武園着、同月岸和田では強い内容で優勝していて、調子は上向き。
底力ある小川真太郎も侮れない。ウィナーズカップ、ダービー、オールスターでは、いずれも一次予選で1着を取っている。まくり兼備の差し脚は鋭く、展開がもつれるようだと怖い。近況一息だが、レース巧者の香川雄介が小川に続く。