松本秀之介がS級に特進 ~佐世保競輪場~

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松本秀之介
上がり10秒8の快速まくりで決着
ラストチャンスを生かす

 6月16日に開催された佐世保FIIナイター最終日第12レース・A級決勝で松本秀之介(熊本・117期)が完全優勝を果たした。これで松本は、5月久留米FI、同月小倉FIIミッドナイトに続く3場所連続の完全優勝で、6月17日付けでS級2班への特別昇級を決めた。

 レースは、宗崎世連(高知・100期)が率いる四国勢が赤板過ぎから主導権を握る。前受けから5番手まで引いた松本がじっくり巻き返しのタイミングを計る間に宗崎はスパート。駆け出したのは最終ホーム手前だったので宗崎の掛かりも強烈だったが、詰めてバック手前からまくった松本は上がり10秒8と真骨頂のスピードスターぶりを発揮。四国勢の抵抗をねじ伏せると、地元の瀬戸晋作(長崎・107期)とワンツー決着でフィニッシュした。

 すでに10名がS級。6月松山ナイター開催では早くも町田太我(広島)がGIII初優勝を果たし、11月の競輪祭には5名の参戦が確定的な超ハイレベルな117期勢。そのエリート軍団の一員でチャレンジは3場所で通過した松本だが、1・2班戦ではこれまで5回特進に挑んでことごとく失敗してS級に上がれずにいた。7月からのS級は決まっていたが、今期は2度の失格があって来年1月からは再びA級に陥落する状況だった。今後1年間をS級で走るには“今回特進しないとS級に上がってしまうので”と追い詰められた状況で真価を発揮した。「瀬戸さんも吉良(勝信)さんも切り替えずにずっと付いててくれて気持ち良く走ることができました。宗崎さんと戦った時にまくれずに負けてしまったことがあったので、今回は絶対にまくってやろうって気持ちがありました。宗崎さんもダッシュがあるので車間を切り過ぎないように。(まくって)3コーナー上る感じがちょっときつかったんですけど。(ラストチャンスで特進を決めて)何とか滑り込みました。(熊本で)練習環境も充実しています。S級でもしっかり自分の力を発揮できるように、練習もしっかりして自力を出してしっかり戦っていきたいと思っています」
 プレッシャーから解放されてホッとした表情を浮かべていた。

権田浩一記者

2021年6月17日 00時09分

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