第35回 のり弁が築いた信頼関係 2018年10月19日
目指すは日本競輪学校第65期生!技能免除で合格!高校3年生は将来がかかった正念場ですが、先輩達が卒業し天下無敵な気分で、毎日がルンルンでした。後輩にも良くお使いを頼みました。中でも須藤直道選手と小林潤二選手は、非常に気の利く後輩でした。人の気持ちが分かる人間だからこそ、現役で長い間頑張れているのだと思います。
しかし、綺麗な話だけで終わらせる訳にはいきません。彼らのしくじりを書かせてもらいます。先ずは須藤選手から。授業中にお腹が空いたので学校の外のマコちゃん弁当へ、のり弁を2つお使いを頼みましたが、須藤君は待てど暮らせど来ません。授業が終わり部室へ行くと俺の椅子の上にのり弁が2つ置いてありました。「なんで教室に持ってこねんだよ!」。弁当を持つとパッケージは綺麗ですが中身は空っぽ!須藤君に訳を聞いたところ、弁当を校門で先生に見つかったとの事。先生の「誰に頼まれた!」との質問に須藤君は「自分のです!」と答え続けたそうです。先生は「本当だな!」須藤君は「はい!」の一点張り。そこで先生は「じゃあ証明しろ!」と言ったそうです。口が裂けても「後閑さんのです」とは言えなかったのでしょう。先生の前でのり弁2つを食べたそうです。なんて素晴らしい後輩!もちろん俺は怒らず「次はバレずに買ってこいよ(笑)」と優しく言いました。それに対しても「はい!分かりました!」と気持ちの良い返事。この時から信頼関係が生まれ、その後、須藤直道選手の結婚式の仲人を27歳で引き受けました。