第85回 空き巣に入られ自宅を売却 2020年1月14日
偉大な同期で天敵の吉岡稔真を下して25歳で自身初となるG2タイトルを制覇しました。そしてデビューして5年で1番高額の賞金を稼ぎました。確か賞金が1900万円ぐらいで、副賞や初日からの賞金も合わせると2200万円オーバーだったと思います。源泉徴収や選手会や共済会の会費を引かれると現金は1500万円程になってしまいました。しかし、私は1500万円の現金を持って名古屋競輪場から帰った事を思い出します。記念競輪は優勝しても400万円ほどでしたので、100万円に帯が付いた10束を自分で持つのはこれが初めて、、。新券だから10センチ!その他に100万円の帯が5つだから無意識にニヤついてしまう(笑)だってこの思いを実現したくて競輪選手になったのだから最高な気分でした。1500万円の現金をルイヴィトンのバッグに入れて新幹線で帰りました。
私の家族はまだその当時、娘たちが小さく、妻が大変そうなのでレースに行く時は毎回、実家に帰らせていました。そして優勝した時は、実家に帰るなり親戚たちが集まりお祝いをしてくれたので、夜も遅くなりその日は泊まらせてもらいました。ところが明くる日、自宅に帰ると事件が起こりました!まずはクルマを停めてベビーカーやらスーツケースやら荷物を下ろしていると、妻が「家に誰か入った形跡がある!」と言うではありませんか。私達は家中を確認すると、なんと廊下や階段に土足で歩いた足跡が、、。そうです【空き巣】に入られていたのです!玄関の鍵は閉まっていました。しかもバブル時に建てた物件でしたから、窓ガラスにも全て厳重にワイヤーが入っている。入っていない窓には雨戸があり、雨戸の鍵は閉まっているはず!と思いきや、、。なんとご丁寧にカーテンも窓も雨戸も元どおりにして帰っているではありませんか!違っていたのは、リビングのガラス窓の鍵の部分だけが半円状にコンパスの様に綺麗にカットされたガラスが落ちていたのです。もし、妻と娘たちがいたら?と思うと鳥肌が立ちました。
私は怒りの中、110番しました。刑事さんと最寄りの駐在所の警察官と鑑識の方など、テレビドラマと同じ風景で指紋を取るのも全く一緒!家中粉だらけ!庭にも足跡に型を取ったりしていました。刑事さんは家の周りを歩きながら私にこんな事を言ったのです!「犯人は今までに何度も来ています。何故なら1階の全ての窓ガラスの付け根をドライバーの様な物で何度もこじった跡がある。その錆や跡が同じ時期の物ではない。もしかしたらいつも見ているかもしれませんから気をつけて下さい、、」と私に言ってきたのです。そして最後に「ご主人さん有名ですし強そうなので、もし出会っても殺さないで下さいね!」と言い残して行ったのです!私はこの時、21歳で購入したサウナ・トレーニングルーム付きの1億円オーバーの家を売ることにしたのです。