格上の小林則之が魅せる ~弥彦ミッドナイト~

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小林則之
機動力はA級ならトップクラスだ
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成清龍之介
積極策で初の完全優勝を目指す

 本日、8月15日開幕の弥彦ミッドナイト。前期のS級戦でも随所に1着があった小林則之を中心視する。降級初戦の7月名古屋ミッドナイトは、まくり連発で無傷で決勝に進出。続く川崎ミッドナイトもまた3日間、自力のレースで112着のオール連対を果たした。今シリーズも持ち前のスピードを発揮してV争いをリードする。援軍もS降りの三ッ井武や堅実に優出している野村純宏としっかりしている。また、南関勢では坂木田雄介の一発にも警戒したい。
 2月西武園から優勝こそない原田泰志だが、2場所に1回のペースで決勝にコマを進めている近況で悪くない。今回は踏み慣れた地元戦。差し脚確かな大矢将大と関東ワンツーを目指す。
 まくり脚ある小松剛之と金子兼久の宮城コンビや、赤塚悠人、榊枝輝文と北勢もメンバーはそろっていて軽視は禁物だ。

 小林は、02年にS級に上がると、10年前期に一度A級に落ちたのを除き、前期まで約18年間S級で戦ってきた古豪だ。失格点を取り返せず降級となったが、まだ脚は落ちていないのは今期の2走で証明している。開催中止に頸を痛めて約4カ月ぶりの実戦となった7月名古屋ミッドナイトは手探り状態だったが、まくり連勝で決勝に進出。続く同月川崎ミッドナイトでは112着と貫禄の走りを披露した。“ずっと(S級で)自力でやってきましたからね”とプライドをチラリ。開催休止期間に思い切り練習ができた成果が出て手応えを深めている。上位に積極タイプの若手が不在のシリーズなら、パワー全開の走りで降級後初Vをきっちりゲットする。

 チャレンジ戦は、成清龍之介と桜井大地の南関勢がV争いの軸となる。本命の成清は今シリーズ出走する若手の中では戦績上位の存在だ。本格デビュー戦の7月四日市ミッドナイトを優勝すると、続く小田原も112着。養成所時代から際立っていた快速ぶりをチャレンジでは存分に発揮しており、ここもライバル達をねじ伏せてしまおう。
 層の厚さなら断然、埼京勢だ。戸邉捺希、鈴木玄人の新人2人に、今年に入って軌道に乗った寺沼伊織と若手機動型がそろっている。連係は流動的ながら、ラインから優勝者を出せる陣容だ。中でも好位からレースを進められる可能性が高い寺沼には警戒したい。

 シリーズリーダーの成清は、言わずと知れた現役S1レーサーの貴之(73期)を父に持つ2世レーサーだ。高校時代までは野球に打ち込み、さしたる自転車歴のない中での養成所入所だったが、能力評価でAを獲得し、競走訓練も卒業記念レースで決勝に乗るなどの活躍で在所順位は10位。ルーキーシリーズは苦戦したが、本格デビュー戦では“父や師匠(成清謙二郎)と長い距離を踏む練習をしてきた”という成果を発揮した。7月四日市の決勝は上がり11秒3の快速まくりで同期の長谷部龍や下井竜を一蹴し、2戦目の小田原の決勝はマークした佐々木眞に差されて連続Vは逃したが、今回も対戦する可能性がある戸邉の逃げをまくりで粉砕。“脚質はダッシュです。自分の得意パターンでしたが、先行にこだわるレースをしていきたいと思っているので、内容的には納得していません”。今回は先行で勝負するかは流動的だが、持ち前のスピードで他を圧倒するはずだ。

権田浩一記者

2020年8月15日 13時05分

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