犬伏湧也が『若鷲賞』を制覇 ~名古屋競輪場~

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犬伏湧也
表彰式で賞状を受け取った犬伏選手
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航続を1車身引き離してゴール線を駆け抜けた
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林昌幸(左)、犬伏湧也(中)、上野雅彦(右)
ライバルをねじ伏せて有言実行のライン決着

 3月6日(日)に名古屋競輪場で行われた『若鷲賞』は119期の中でも一番の出世頭である犬伏湧也(徳島・119期)が豪快なまくりで前団を一蹴。後ろに付けた後輩2人をしっかりと連れ込み優勝を手にした。
 初手の位置取りで4番手に構えた犬伏湧也。打鐘までライバルたちに動きはなく、正攻法に構えていた橋本凌汰が腹を決めて誘導員を降ろしてペースアップ。後方8番手から単騎で反撃に出た上杉嘉槻が山根将太のけん制を乗り越えてまくり切る。不気味に車間を空けて煽りを作っていた志田龍星が最終バック付近からまくり上げたが、冷静に動きを見極めていた犬伏湧也が大外を乗り越えてゴール線を駆け抜けた。
 「初手の位置は作戦通りでしたね。中団が欲しいかったので。たぶん僕たちのことを見てって感じになると思ったので。煽りが凄かったですね。ホームで上杉君がきて出ようか迷ったんですけど、ひと呼吸入れようと思って。まくりに構えても行けるかなって思ったんで。でも結構しんどくて届くかなって感じでしたけど最後の下りで抜けるなって感じだったんで。本当にラインで決まったのが嬉しいですね。後輩が付いてくれて、まくりの形にはなったんですけど3人で決まったので。(この喜びは)師匠と大師匠に伝えたいですね。あと練習仲間にも伝えたいです。本当にラインのおかげだと思っているので。後ろについてくれたぶん前との距離も短くなってくれたので。(次の目標は)やっぱりG1に出たいんで。まだまだレベルを上げないとですけど頑張っていきたい」 
 1月大宮記念の準決勝では深谷知広と壮絶な先行バトルを繰り広げて大いに存在感をアピールしているが、現状に満足することなくさらなる高みを目指して脚力を磨き上げていく。

 番手の上野雅彦は何度か離れそうになりかけながらも懸命に食い下がり2着に入線。
「めちゃめちゃ強かったです。レースはあんな感じになると思っていたんで。風も強いし単騎の選手も多かったので。動くとしたら山根さんラインかなって思っていたので。犬伏さんがどうするかなって思っていたんですけど、本当に強いので信頼していました。1センターで浮いたので内を締めるか迷ったんですけど、バックで行っちゃうなって思ったので。3コーナーはきつかったですね。次はしっかり犬伏さんの前で頑張れるように。前でしっかり引っ張っていけるようになりたい(今後の目標は)石原(颯)さんにも言われているんですけど、そろそろ決勝に乗りたいですね」

 一番の後輩でもある林昌幸が初めての経験となる3番手を回り、先にS級で活躍している先輩二人に付け切った。
「初めての3番手回りだったので難しかったですね。内だけ来られないようにって思っていたんですけど。空いて空いてて感じでってなってしまった。ジャンで波があって脚を使ったのできつかったです。犬伏さんのおかげです。脚の感じは良かったんですけど、普段とは違った感じできつかった。次に犬伏さんや上野さんと一緒の時は僕が前で頑張らせてもらえるように。まずは今期しっかりとS級点を取れるように頑張りたいですね」
 次世代を担うルーキーたちが互いに切磋琢磨し合いながら競輪界を盛り上げていく。

細川和輝記者

2022年3月6日 17時50分

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